東京には、江戸時代に由来する地名が数多く残されています。今回は寺社・仏閣がシンボルの街を巡っていきましょう。
上野、浅草、高輪、…江戸文化息つぐ「東京の街」を巡る【江戸歴史散歩③】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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浅草【台東区】…浅草寺の門前町、鎌倉時代の書物にも登場

 

浅草は、東京都台東区にある歴史ある街で、浅草寺の門前町として栄え、伝統的な日本の文化や風習が残る観光スポットとして有名です。上野駅近辺と共に、浅草駅周辺を中心として「上野・浅草副都心」を形成しています。

 

浅草の地名の由来については所説あり、かつてこの地域が草深い浅い川のそばにあって、“草”深い“浅”い川の略称として使われていたという説や、草深い武蔵野の中で草があまり茂っていなかったことによるという説もあります。はっきりしていることは、鎌倉幕府が編纂した『吾妻鏡』の治承5年(1181)の項にその名がすでに記されており、古くから浅草寺を中心に集落が形成されていたということです。

 

浅草寺の起源は、『浅草寺縁起』によると、推古36年(628)に、この土地の漁師、檜前浜成(ひのくまのはまなり)・竹成(たけなり)兄弟が、宮戸川(隅田川)で漁をしていた時に一寸八分の観音像を網で掬い上げ、主人の土師真中地(はじのまつち)の邸宅に祀ったのがはじまりといいます。檜前浜成・竹成・真中地の三人を祀ったのが三社権現(浅草神社)で、「三社権現」「三社祭」の「三社」とは、この三人を指しています。

 

浅草寺は東叡山寛永寺が祈願所として建てられるまでは、将軍家の代表的な祈願所としての役割を果たしており、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いの出陣の際にも、家康がこの観音堂で戦勝祈願を行いました。

 

現在、雷門から宝蔵門までの約140メートルの参道は仲見世と呼ばれ、お土産店や屋台がたくさん並んでいますが、当時、参道の掃除を課せられた付近の住民が、その代償として床見世の出店を許されたのが初めてといいます。

 

【浅草周辺のおすすめスポット

◆浅草神社

浅草寺に隣接する神社。毎年5月第3週の金土日曜日に行われる「三社祭」が有名

浅草寺

都内最古の仏教寺院。雷門から続く参道の「仲見世通り」は、日本で最も古い商店街のひとつで、日本の下町情緒を感じられる店が立ち並ぶ

◆浅草花やしき

嘉永6年(1853)に花園として開園。日本で最初の遊園地といわれる

◆浅草演芸ホール

落語をはじめ、漫才や手品、曲芸など様々な演芸が楽しめる。萩本欽一やビートたけしなどを輩出

◆かっぱ橋道具街

プロ仕様の調理器具や食器、厨房設備から業務用食材などの店舗が集まる問屋街

◆元祖食品サンプル屋 合羽橋店

食品サンプル製作体験から、商品化前のテスト販売などユニークなサービスが楽しめる

◆隅田公園

隅田川の両側、南北に長く広がる公園。桜の名所としても有名

 

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