“侍ジャパン(2023)”は“ダルのチーム”
7回裏の攻撃が終わると、球審に選手交代を告げました。「ピッチャー、ダルビッシュ!」
ダルは11年シーズンのオフに、ファイターズからメジャーリーグへ旅立ちました。私はその年の11月からファイターズの監督に就任したので、入れ違いになってしまいました。彼と一緒に野球をするのは、私にとって悲願と言っていいものでした。
最高の試合のこんなにもしびれる場面で、ダルの名前を口に出すことができるのは、無上の幸せでした。調子がいいかどうかは、ボールを見ればある程度分かります。最高のダルではなかったかもしれませんが、彼に投げてもらうことに迷いはありません。
我々のチームがここまで勝ち上がることができたのは、ダルのおかげです。このチームはダルのチームとさえ言ってもいい。もし彼が打たれても、私は心から納得できると断言できました。
スター選手のみにのしかかる計り知れない“プレッシャー”
先頭打者を打ち取りますが、続くシュワーバーに一発を浴びました。3対2、1点差です。スタジアムを包む空気は、恐ろしいほどに張り詰めています。アメリカの威圧感も、それまでより明らかに増しています。
続くターナーにもヒットされ、同点のランナーを出してしまいます。並の投手なら、逃げ出したくなるに違いありません。それでも、後続の打者を打ち取って、ダルは3対2とリードを守ってマウンドを降りました。
どれほどのプレッシャーを、ダルが感じていたのでしょう。想像することはできますが、実感することはできません。準々決勝のイタリア戦はこちらの時間だと3月15日で、この日は21日です。
ダルは「移動のスケジュールを考えると、イタリア戦から決勝までは中3日半のイメージですね」と話していましたが、それでもマウンドに上がってくれました。この回投げた18球に、ダルは投球術や間の取りかた、ボールの使いかたなど、現時点でできるすべてを注ぎ込んだのでしょう。
チームファーストを貫いたために自分の状態を上げきれなくても、これだけ重圧のかかる場面をどうにかして切り抜ける。1点は失いましたが、ダルのすごみを感じました。
WBCにおける侍ジャパンには、数々の名場面があります。私たちもいくつかの名場面を作ることができましたが、ダルと翔平でこの決勝を締めくくるのは、我々も、ファンのみなさんも、一番納得できる形でしょう。そのうえで勝つことで、このアメリカ戦が歴史になる、と考えていました。
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