★登場人物
まねきミケ子
会社員(32歳)。同い年の自営業(イラストレーター)の夫と3歳の子どもとの3人暮らし。お金のことはやや無頓着。最近、将来の子どもの教育費や老後の資金が心配になり、お金の専門家のフジコ先生に相談している。
フジコ先生
ファイナンシャル・プランナーの資格を持つ経済の専門家。経済ジャーナリストとして「お金のことを誰よりもわかりやすく発信する」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報をあらゆるメディアで解説している。投資初心者のミケ子さんに、やさしく丁寧にお金の増やし方を伝授していく。
iDeCoの保有中「毎年忘れてはいけない手続き」がある!
Point
年末調整や確定申告で申請しなければ、掛金は控除されない
国民年金基金連合会から送付される払込証明書が必要
フジコ先生:iDeCoのお得な節税制度をしっかり活用するには、年末調整や確定申告で申請するのを忘れないでね。
まねきミケ子:新NISAは何もしなくてよかったのに……。がっくり。
フジコ先生:これもお得のためよ! しかも、そんなに難しくないから大丈夫。会社員のミケ子さんは年末調整で、フリーランスの夫は確定申告で申請してね。
まねきミケ子:私、民間の医療保険に入っていて、毎年保険料控除の申請をしてますが、同じような感じですか?
フジコ先生:そうです。年末調整、確定申告ともに「小規模企業共済等掛金控除」という欄にiDeCoの掛金を記入します。さらに毎年10月以降に「国民年金基金連合会」から「小規模企業共済等掛金払込証明書」という書類が送られてくるから、申請の際にはそれを添付します。「知らないところから来た郵便だから捨てちゃった!」という人もいるから、注意しましょうね。
まねきミケ子:iDeCoってところから来るわけではないんですね。忘れないようにメモしておきます~。
◆年末調整で申請をしよう
会社員や公務員で本人名義の口座から口座振替で掛金を拠出している場合は、年末調整の保険料控除申告書を提出すれば、税金の還付を受けられます。その際、小規模企業共済等掛金払込証明書を添付することを忘れずに!
iDeCoは途中解約して「他の商品に買い替え」ができる!
Point
iDeCoの運用商品は途中で解約して改めて他の商品を買うことができる(スイッチング)
スイッチングは市場の動向や年齢によって判断する
フジコ先生:iDeCoの運用商品を見直したい時に商品を売却、解約して他の商品へ買い替える「スイッチング」という方法があります。
まねきミケ子:それは、どんなタイミングでするんですか?
フジコ先生:例えば、A、B、C、Dの4商品を運用していて、CとDで利益が出ているとしましょう。でも、市場の動向からこのままCとDを保有し続けると利益が減ってしまうおそれがあるとします。そこでCの全額、Dの20万円分を売却し、新たに元本確保型のEを35万円購入します。こうすることで、今後の運用による損失を防ぐことができるというわけです。
まねきミケ子:市場の動向か~。見極めるのが難しそう。
フジコ先生:年齢で考えてもいいでしょう。若い時は株式型の投資信託を積み立てて、運用期間が10年になった時点で売却。新たにバランス型の投資信託や債券型の投資信託など安定性の高い商品で積立を続けるという方法もあります。
◆スイッチングの例
資産150万円のうち、利益の出ていた運用商品Cを15万円(全額)、運用商品Dを20万円売却し、新たに運用商品Eを35万円購入した場合。
◆「スイッチング」はWebでできる
iDeCoのトップページから「保有商品の入替(スイッチング)」→「保有商品のスイッチング(入替)(JIS&T社へ)」と進みます。スイッチングしたい商品をタップし、入れ替えたい商品を選択、売却数量を入力します。
酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP
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