(※画像はイメージです/PIXTA)

米アップル社は日本時間の9月13日、iPhoneの新機種「iPhone15」を発表しました。最安機種(容量128GB)の日本発売価格はこれまでで最も高額な12万4,800円です。昨今の「円安」が影響したとみられます。他方、アップル社の本国アメリカでは「インフレ」が進んでいますが、その影響はどの程度及んでいるのでしょうか。過去のiPhoneの日米の販売価格と為替相場の推移から検証します。

「iPhone」の日米の価格推移比較

[図表1]は、iPhone8(2017年9月22日発売)以降のiPhoneの価格推移を、その時々のドル⇒円相場の値とともにまとめたものです。

 

iPhoneの販売価格については、アップル社が発売当時、日米それぞれの公式HPで公表した最安機種の価格を記載しています。また、為替相場は発売された月の終値の平均値(日本銀行の統計による。2023年9月分は9月12日の終値)を記載しています。

 

[図表1]iPhoneのバージョンごとの日米の発売価格と発売月の為替相場

 

このうち、まず、「iPhone11」以降のバージョンの最も基本的なモデルについて比較してみましょう([図表2]参照)。

 

[図表2]「iPhone11」~「iPhone15」の日米の発売価格と発売月の為替相場

 

◆アメリカでのiPhoneの価格推移

アメリカでの価格をみると、2019年9月発売の「iPhone11」は699ドルで、2020年11月発売の「iPhone12」は799ドルと、100ドル値上がりしています。その後、2021年9月発売の「iPhone13」、2022年9月発売の「iPhone14」、そして2023年9月発売の「iPhone15」と、799ドルのまま据え置かれています。

 

◆日本でのiPhoneの価格推移

これに対し、日本での販売価格は、一貫して値上がりし続けています。「iPhone11」(2019年9月発売)の699ドルから「iPhone12」(2020年11月発売)の799ドルへの値上がりはさておき、「iPhone12」以降、アメリカでの販売価格が799ドルのままであるにもかかわらず、「iPhone12」は8万5,500円、最新機種の「iPhone15」は12万4,800円と、1.46倍にもなっているのです。

 

為替レートをみると、「iPhone12」が発売された2020年11月は1ドル=104.40円なのに対し、「iPhone15」が発売される2023年9月は1ドル=147.03円(9月12日の終値)と、1.41倍に達しています。このことから、値上がり分は、ほぼ、為替相場が円安ドル高になった影響であることがわかります。

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