有効な対策は「がん保険」…プランはどう選ぶか?
では、どのような対策が考えられるのか。貯蓄や「投資」では限度があります。現実的に考えると、もっとも有効な対策は「がん保険」に入ることです。実は、FPや保険の営業マンのなかには、「医療保険は不要だが、がん保険は必要」という人がけっこう多いのです。
ただし、がん保険といっても、保険会社、商品ごとに、大きな差があり、そのなかからより良いものを選ばなければなりません。有益とされているのは、以下の4タイプの保障です。
1. がんと診断されたら「診断給付金」を受け取れる
2. 抗がん剤、放射線治療を受けたらその都度「治療給付金」を受け取れる
3. 先進医療を受けたらまとまった額の「先進医療給付金」等を受け取れる
4. 未認可の抗がん剤の治療を受けたら「自由診療抗がん剤給付金」を受け取れる
理想は、これらを全部組み合わせて組むことです。しかし、保険料に割ける額には限りがあるので、自分にとって優先順位の高い保障は何かを考えて選ぶことをおすすめします。
以下、それぞれについて説明します。
◆保障1. がんと診断された場合の「診断給付金」の保障
これは、がんと診断されたら「50万円」「100万円」等のまとまった額の「診断給付金」を受け取ることができるものです。
診断給付金の使い道には何ら制限が設けられていません。入院・手術の費用のほか、抗がん剤治療の費用に充てることもできます。もちろん、自由診療の費用にも充てられます。
生活費の足しにしたり、家族旅行の旅費にしたりすることもできます。最も融通がきく使い勝手の良い保障です。
ただし、その代わりに保険料が割高であるうえ、他の保障によってある程度カバーできるので、保険料によっては、敢えて他の保障を選ぶ手もあります。
◆保障2. 抗がん剤、放射線治療に対する「治療給付金」の保障
「治療給付金」の保障は、抗がん剤、放射線治療といった典型的ながん治療を受けたら、その月ごとに「10万円」等の一定額を受け取れるものです。治療が長期化した場合でも、月ごとに「高額療養費制度」の自己負担分をカバーすることができます。
前述した「一時金」と比べると対象となる治療が限られていますが、その代わりに保険料は割安になっています。ただし、対象が保険診療に限られていることが多いので、この次に紹介する「先進医療給付金」「自由診療抗がん剤給付金」の保障を併用することで、より効果が高くなります。
◆保障3. 先進医療を受けた場合の「先進医療給付金」の保障
先進医療を受けた場合、「技術料」が自己負担になります。そして、がんの場合、この「技術料」が高額になる可能性があります。たとえば、「陽子線治療」「重粒子線治療」を受けると「技術料」は医療機関にもよりますが数百万円かかります。
「先進医療給付金」の保障があれば、技術料の実費をカバーできます。なお、商品によっては医療機関への旅費等もカバーしてもらえることがあります。なぜなら、先進医療は全国でも限られた医療機関でしか受けられないからです。
◆保障4. 未認可の抗がん剤の治療に対する「自由診療抗がん剤給付金」の保障
近年、がんの治療において「がんゲノム医療」「がん遺伝子検査」等、患者一人ひとりの遺伝子に着目して最も適した抗がん剤を選び、使用することが行われるようになっています。
自分に合った抗がん剤が国内で未認可の「自由診療」である場合、百万円単位、千万円単位のお金を自己負担しなければならず、それができないために治療を諦めなければならなくなる可能性があります。「自由診療抗がん剤給付金」の保障があれば、そういった場合でも治療費をカバーすることができるのです。
このように、がんになった場合、日本の公的医療保険ではカバーできない結果、せっかく貯めた虎の子の貯蓄額が、治療費に消えてしまうことがあり得ます。そういった場合に、がん保険に加入することが有益だといえます。がん保険のプランは、本記事で紹介した4つの保障「診断給付金」「治療給付金」「先進医療給付金」「自由診療抗がん剤給付金」のなかから、保険料を無理なく支払えるよう、優先順位を付けて組むことをおすすめします。
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