守りに入る上司たちに辟易…チャレンジングな環境を求めてSaaSベンチャーに転職
係長への昇格はだいたい45歳頃とされるなか、42歳にして係長のポジションに就いたKさん。20~30代の頃はマーケティング部門や企画部門でも実績を挙げており、社内の評価はそこそこ高かったといいます。
ただ、完全に守りに入っている上司たちの態度に辟易としていました。Kさんはもっとチャレンジングな環境で仕事をしたいと漠然に考えるようになり、情報収集のつもりで転職サイトに登録したところ、あっという間にスカウトが届き、とんとん拍子で選考に進むことになったそうです。
結果的に、課長級で招き入れたいというオファーを受け、転職を決めたKさん。これまで扱ったことのないSaaS系商材の市場は急激に拡大しており、若く、勢いのあるメンバーとともに「会社を大きくする」ために働ける。望み通りのチャレンジングな環境に、Kさんの心は踊ります。従業員数は50名に満たず、現職ほどの福利厚生は望めない点は少し不安でしたが、家族でもよく話し合って、転職することに決めました。
転職後、Kさんはチャレンジングな環境で充実した日々を過ごしているといいます。ただ、収入は10%以上減ってしまい、転職にはもっと慎重になるべきだったと、少し後悔もしているようです。
仮に、今回の転職先が大企業だったとしたら…。厚生労働省の統計で平均値をみると、従業員1,000人以上・大企業の課長の平均年収は約1,023万円。しかし、移ったのは従業員50名の企業の課長職。同じ統計で従業員10~99人企業をみると、課長級の平均年収は646万円ほど。
平均と比べれば、Kさんの転職後の給与は高水準といえますが、それでも給与が減ったことは事実です。前出の厚生労働省の調査によると、転職で給与アップを実現した人は34.9%で、1割以上の増加は24.5%。一方、給与ダウンとなったのは33.9%で、1割以上の減少となったのは25.2%でした。
大企業から中小企業への転職であったり、異業種・異職種へのキャリアチェンジだったりする場合は、給与減となるケースが多いと考えるべきかもしれません。
当然、転職時には給与交渉を行いますから、納得できなければオファーを断ることもできます。たとえ収入が減ったとしても挑戦したい仕事なのであれば、思い切って飛び込んでみる価値はあるかもしれません。ただ、入社後に給与の上昇余地がどれくらいあるかを慎重に確認しておく必要があるでしょう。