「老人ホーム」は老後の住まいの有力な選択肢。特に介護が必要であったり、高齢者の1人暮らしだった場合、ホームに入居することで大きな安心感を得ることができます。しかし入居したら誰もが安心できるかといえば、そうではないようです。
老人ホーム入居の80代父、深夜の電話で「悔しい」と嗚咽…駆けつけた50代娘が抱いた「とてつもない違和感」 (※写真はイメージです/PIXTA)

排泄の失敗、金銭管理、暴力・暴言…認知症の進行で「老人ホーム入居」を決断

株式会社LIFULL seniorが1年以内に家族または親族が介護施設に入居予定の人を対象に行った『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』によると、「老人ホーム入居のきっかけになった状況」として最も多くあがったのが「認知症があったから」で46.0%。「認知症以外の疾患があった」33.3%、「入院していた」29.6%と続きます。

 

また入居のきっかけとなった認知症の症状としては、「排泄の失敗をする」32.3%がトップ。「お金の管理ができない」29.0%、「怒りっぽくなる、暴力をふるう」18.2%と続きます。これらの症状があると、在宅での介護は難しいと判断するケースが多いといえます。

 

認知症でも入れる「老人ホーム」は大きく4つ。「グループホーム(認知症対応型生活介護)」は認知症患者9人を1グループにした少人数制の施設。認知症入居可能とされていても、症状により入居できるかどうかは個別に判断されます。「特別養護老人ホーム(特養)」は原則要介護3以上が対象。特例で認知症であれば要介護度2以下でも入居可能な場合も。

 

民間の施設である「有料老人ホーム」は、「介護付き」と「住宅型」の2つがあり、前者であれば介護職員のほか、医療職を配置。後者の場合、併設の訪問介護事業者などからヘルパーが派遣される形が一般的です。「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」も主に民間が運営する施設。介護が必要な時は、外部の介護サービスと個別に契約。基本的に自立~軽度用介護の人を受け入れていますが、最近は看取りや重要介護の人を受け入れる施設も。認知症の人への対応もさまざまです。

 

80代になる父親が老人ホームに入居していると投稿した、50代女性も同じ。入居のきっかけは父親が認知症と診断されたからでした。

 

実家には飛行機を使って4時間ほどかかるので、父親につきっきりということは難しい……そう女性が考えていたところ、本人から「施設に入る」と言ってきてといいます。

 

――認知症と診断されたとはいえ初期段階。多少、判断が鈍っているかなと感じる程度だった

 

先のことにを考えると、自宅を売って老人ホームに入居したほうがいいと、本人が判断。父と娘でいくつかの施設を見学し、施設を決めたといいます。