2023年9月の注目イベント
■パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は8月25日、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、ややタカ派的なトーンを交えつつ、追加利上げと据え置きは、データ次第で決める方針を改めて明言しました。このため米経済指標では、8月の雇用統計や消費者物価指数が注目されます。また、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げの有無に加えて、FOMC参加者らの政策金利見通し(ドットチャート)において、2024年末の政策金利が6月時点から引き上げられるのかが注目されます。FRBの利上げサイクルは最終局面にあるとみられるなか、利上げ終了後にどれだけ長く政策金利を維持するかが焦点となりそうです。
■欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は「ジャクソンホール会議」で、インフレ抑制へ金融引き締めを続ける姿勢を示しました。9月のECB理事会では、データ次第で利上げが決定されるため注目されます。
■中国の経済指標では、不動産市場の低迷により、景気の回復ペースが大きく鈍化している中国景気を見通す上で、8月の物価統計や小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資などが注目されます。
(2023年8月29日)
石井 康之
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフリサーチストラテジスト
※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FOMCでドットチャートの「24年末の政策金利」はどうなる?23年9月の「注目イベント」一覧【三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジストが解説】』を参照)。