なぜアート作品は「落札価格1億円以上」など“超高額”で取引されるのか?今さら聞けないアートの価値について【元金融担当大臣秘書官が解説】

なぜアート作品は「落札価格1億円以上」など“超高額”で取引されるのか?今さら聞けないアートの価値について【元金融担当大臣秘書官が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

アート作品の価格はなぜ、数億円、ときには数十億円という超高額価格となるのか、不思議に思ったことはないでしょうか。元金融担当大臣秘書官であり日本初アートオークション会社の株式上場を主導した倉田陽一郎氏(現・Shinwa Wise Holdings社長)の著書『アートが変える社会と経済 AI、NFT、メタバース時代のビジネスと投資の未来』(悟空出版)より、一部抜粋して紹介する本連載。今回は、「アートの価値の現在地」、また「アート作品の価格が高騰するワケ」について紹介します。

アート作品の価格が高騰するワケ

オークションの価格形成にも穴があります。それは、落札を勝ち取る者(ウィナー)と、最後に諦める者(アンダービッダー)の二人により価格が決まるということです。

 

たとえばビル・ゲイツとジェフ・ベゾスのような大富豪の二人が、まだ新人で、何の大した価値も付いていないアーティストの絵を気に入ってしまった場合、オークションでは二人の勝負になってしまいます。意地の張り合いで、どんどん値段が上がり、市場価格をはるかに超えて競り上がっていきます。

 

本来であれば100万円くらいの市場価格の作品が、大富豪二人の意地の張り合いでオークションパドルを下ろさなくなることで、1億円以上の値段に跳ね上ったとしても、オークションではそれが落札価格として記録されることになります。

 

※オークションパドル:入札時の番号札。

 

当然その結果、市場では大富豪コレクター二人が意地の張り合いでついてしまった値段だと語り継がれることになりますが、オークション価格というのはあくまで富裕層のコレクターが二人で価格形成する形態であるという事実も残ります。

 

当然、ほとんどの参加者は、そのアーティストの市場価格や作品の状態など、さまざまな要因を知ったうえで参加します。そのため、通常は市場価格の範囲内で落札されることがほとんどです。しかし、あくまでオークションという価格形成の方式は、現代の資本主義を象徴するかのような競争原理の中で、価格が決まっていくということなのです。

アートが変える社会と経済

アートが変える社会と経済

倉田 陽一郎

悟空出版

ブロックチェーンとコミュニティ経済のビジネスヒントがここにある! Web3時代、アートの投資価値は上昇!NFT、メタバース上で新たな評価を生む! アートが世界で資産価値としての存在感を増し、デジタルアートが出現する…

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