シンガポール
シンガポールの6月の輸出額(石油と再輸出除く、通関ベース、ドル換算)は前年同月比13.1%減(前月:同12.0%減)の110億ドルとなり、10カ月連続で減少した(図表11)。輸出の基調は昨年半ばまで世界的な電子製品の需要拡大や石油製品の価格上昇により増加傾向が続いたが、その後はアジア向けを中心に電子製品、非電子製品が振るわず減少している。
総輸出額は同14.9%減(前月:同12.5%減)の394億ドル、総輸入額が同19.2%減(前月:同18.1%減)の348億ドルとなり、それぞれ低迷した。結果として、貿易収支は+46.4億ドルの黒字となり、黒字幅は前月から8.5億ドル拡大した。
輸出(石油と再輸出除く)を品目別にみると、まず全体の約2割を占める電子製品は同13.5%減(前月:同24.8%減)と低迷した(図表12)。
電子製品の内訳を見ると、ディスクメディア(同78.6%増)が約1年ぶりに増加したものの、主力のIC(同29.9%減)とPC(同42.6%減)が揃って減少した。また全体の約3割を占める化学品も同30.5%減(前月:同17.7%減)となり、2カ月連続で減少した。
化学品の内訳を見ると、石油化学製品(同32.1%減)と医薬品(同27.5%減)がそれぞれ減少した。
フィリピン
フィリピンの6月の輸出額(通関ベース)は前年同月比0.8%増(前月:同2.4%増)の67億ドルと鈍化した(図表13)。
輸出の基調は昨年後半に電子製品を中心に増加傾向がみられたが、その後は世界的な需要が軟化するなかで主力の電子製品の出荷が落ち込み、減少傾向にある。足元では輸出は欧米向け、中国向け輸出が改善してプラスとなったが、輸入は低迷しており一時的な動きにとどまるとみられる。
一方、輸入額は前年同月比15.2%減(前月:同8.1%減)の106億ドルとなり減少幅が拡大して8カ月連続の前年割れとなった。結果として、貿易収支は▲39.2億ドルの赤字となり、赤字幅が前月から5.3億ドル縮小した。
輸出シェア上位10品目をみると、まず輸出全体の6割近くを占める電子製品が同11.7%増(前月:同6.7%増)となり、2ヵ月連続で増加した(図表14)。電気製品の内訳を見ると、電子データ処理機(同30.0%減)は減少したが、主力の半導体デバイス(同22.2%増)が増加した。
その他9品目については、化学品(同42.9%減)とその他鉱業品(同38.3%減)が減少したものの、銅精鉱(同74.8%増)と精錬銅(同38.5%増)、その他(同24.2%増)、イグニッションワイヤーセット(同14.6%増)、機械・輸送用機器(同12.2%増)、生鮮バナナ(同10.9%増)、金属部品(同0.4%増)は増加するなど、総じて増加した品目が多かった。
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