会社員であれば、いつかはなりたい「高給取り」。しかし、当の本人たちから聞こえてくるのは「生活が苦しい」という意外なつぶやきばかり。なぜ高い給与でありながら、生活は困窮しているのでしょうか。みていきましょう。
年収1,000万円超の「エリート・サラリーマン」だが…高給取り貧乏になる〈当たり前すぎる理由〉 (写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの上位10%に入る年収1,000万円超えだが…

――いくら給与をもらったら高給取りか?

 

何度も議論される「高給取りかどうかの境界線」。平均以上なら高給取りという人もいれば、年収2,000万円を超えてないと、という強者までいろいろです。

 

国税庁『令和3年分 民間給与実態統計調査』によると、給与所得者(男性)の給与額の分布は以下の通り。年収1,000万円以上となると、サラリーマンの7.6%。数にすると230万人ほどが、上位10%に君臨します。これは「高給取り」といっても納得の給与ではないでしょうか。

 

【給与所得者(男性)の給与分布】

100万円以下:3.5%

200万円以下:6.7%

300万円以下:10.5%

400万円以下:16.9%

500万円以下:17.5%

600万円以下:13.8%

700万円以下:9.4%

800万円以下:6.8%

900万円以下:4.4%

1,000万円以下:3.0%

1,500万円以下:5.4%

2,000万円以下:1.3%

2,500万円以下:0.4%

2,500万円超 :0.5%

 

羨望の眼差しが送られる高給取りのサラリーマン。「余裕があって、将来にも不安なんてないんでしょうね」と思わず悪態をついてしまいそうですが、すべてがそういうわけでないようです。

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』によると、「将来に見据えての貯蓄がない」というのが、年収1,000万以上世帯で12~13%。10世帯に1世帯の家計は自転車操業だということになります。仮に年収1,000万円以上のサラリーマンの10%だとすると、数にして23万人ほどの高給取りが「毎日、何とかやってます」という生活を送っています。

 

さらに将来への備えがあろうが、なかろうが、年収1,000万円を超える高給取りサラリーマンでも余裕はないようです。

 

――なんと、てりやきバーガーが値上げ……ツライ

 

ネット上でつぶやかれているのは、先月、都心部に立地するマクドナルド184店舗での値上げ。たとえば「てりやきマックバーガー」の価格は通常370円のところ、都心店では410円。ハンバーガー、40円の値上げにぎゃふんとなっているのが、日本の高給取りサラリーマンの実情です。