専業主婦はお気楽でいいよ、家事さえしていればいいんだから……いまだに聞こえる、そんな専業主婦への批判的意見。一方で、共働きでも妻と同じくらい夫も家事をしている、というケースは稀。事情はそれぞれ違いますが、「妻のほうが夫よりも家事をしている」というのが一般的なようです。みていきましょう。
「1日中家にいて何してるの?」「はぁ⁉」月収35万円・40代の夫が放ったひと言に妻、大反論!〈夫は知らない妻の稼ぎ〉 (写真はイメージです/PIXTA)

家事・育児に値段をつけるとしたら?

――1日中家にいて何してるの? 退屈じゃない?

 

40代・平均的な稼ぎの夫のひと言に「はぁ⁉ 家事なんてやろうと思えば無数にあるんじゃ!」と反論する、専業主婦のつぶやき。

 

――こっちも働いているんだが、なんで旦那は何もやらない!

 

こちらは40代共働き夫婦の妻のつぶやき。仕事で共に忙しいはずなのに、家事負担は妻が圧倒的に大きく、夫が担当する家事といえば、ゴミ出しと風呂掃除くらい。それで「どや顔」をしているのが憎らしい、と妻の主張。

 

たびたび議論となる、夫と妻の家事分担。妻が仕事をしているのか、それともしていないかなどで、状況も考え方も変わるでしょうが、「夫に不満を抱く妻」というのは、どこの家庭でも共通している構図のようです。

 

内閣府が7月に公表した『無償労働の貨幣評価の公表について』では、いわゆる無償労働とされている家事等に対して、どれほどの貨幣価値、つまり「給与を払うならいくらか」を算出しています。その報告書によると、専業主婦(無業有配偶)の家事労働に対する給与は年収298.9万円。仕事をしている妻(有業有配偶)の家事労働に対する給与は 241万8,000でした。それに対して、仕事をしている夫の家事労働に対しては年収64.8万円、無職の夫の家事労働に対しては年収84.7万円。圧倒的に「妻がやっている家事」のほうが給与は高いという結果になりました。

 

さらに、夫婦と6歳未満の子どもがいる世帯における、家事・育児に対する1人当たりの給与についてみていくと、以下の通り。

 

【世帯の形態別「家事・育児」に対する貨幣価値】

◆共働き

夫:123万円(家事:55.2万円、育児:67.9万円)

妻:364.4万円(家事:175.4万円、育児:189万円9

◆片働き(夫:有業、妻:無業)

夫:116.6万円(家事:45.4万円、71.2万円)

妻:524万円(家事:249.1万円、育児:274.9万円)

 

あくまでも、無償である家庭の家事・育児等に対して給与を払うとしたら、を推計したもので、本当にその価値があるのかは異論もあるでしょう。ただこの結果に共働き世帯であれ専業主婦世帯であれ、肩身の狭い思いをする夫は多そうです。