失敗の真の原因を考察
ここまで公開された報告内容を使い、直接的ではない真因を考察していきたい。本来であれば、「ITプロジェクト版失敗原因マンダラ図」はグループ作業を推奨しているが、個人でも作業が可能であるため、本記事では筆者の知見・知識でステップ1~5を行ってみる。
読者は本記事を読み終えたあと、自分ならどう考えるかをぜひ実践していただきたい。それでは失敗の原因をリストアップしていく。
ステップ1:「ITプロジェクト版失敗原因マンダラ図」から全ての失敗原因を抽出する
「ITプロジェクト版失敗原因マンダラ図」の使用方法として、時計の8時の位置に置く<個人>に関する原因から、時計回りに<プロジェクト><組織><未知>まで順に原因を考えていくが、できれば作業は個人の知識だけに頼らないように、グループ(複数人)で進めるのが望ましい。
1人でも作成可能だが、プロジェクトに参画した複数のキーパーソンで議論したほうが、より客観的かつ網羅的に原因を究明できる可能性が高いことが過去の検証で実証されている。まず、<個人>に関する責任の第一階層の中で、【無知】の「知識不足」、「経験不足」「引き継ぎ」の3つの失敗原因から、原因を想像してみる。
ステップ2:抽出した失敗原因を集約する
ステップ2としてグループ作業の場合は一人ひとりが作業したものを1つの表にまとめていく。今回は、例として4名がグループ作業を行ったイメージ図を記載している。筆者の作業結果をAさんの列に記入した。失敗学会の思想として、原因の究明が大切であり、「誰が原因か」といった、特定の個人の名前は必要ないため、ABCDなどの符号で個人が特定できないように配慮する。集約したイメージ図は下記のようになる。
ステップ3:失敗原因を整理する
集約した<グループ作業>の場合の一覧表は個人の知識・経験に依存しているものであるため、メンバー間でなぜ原因であると考えたのかを議論する。さらに、議論の終盤でいいので、選定されなかった原因項目について、選定されなかった原因をメンバーで討議しておいてもらいたい。さらに、次のステップにむけて、連関図で配置する場合の時間軸を記載していくと次の作業がスムーズになる。
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