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基礎力がない状態では、たくさん長文を読んでも「効果ナシ」
医学部受験生によくある間違った勉強法として、英語力がつかないのを読解力のせいにして長文読解を繰り返してしまうという事例があります。
指導経験上、英語が苦手な人の大多数は、読解力のトレーニング不足ではなく、基礎事項の習得が不十分です。
基礎事項とは、単語・イディオム、文法、構文などです。単語・イディオム、文法、構文を総合的に習得することで正確に文を読むことができ、そこで初めて長文読解ができるようになります。
基礎が固まっていない状態でたくさん長文を読んでも効果はありません。読解力を鍛える前に、まずは基礎力を見直すことが大切です。
実際に、苦手な英語を大きく伸ばして難関医学部まで合格した卒業生のほとんどが、成績が大きく伸びた原因を「単語・文法事項の暗記」だと回答しています。
英語は総合力勝負のため、勉強内容が成績に反映されるまでに時間がかかる科目ですが、諦めずに毎日コツコツと継続しましょう。
具体的な勉強の流れ
【(1)単語・熟語・イディオムの暗記】
単語・熟語・イディオムの暗記は英語力の基礎となります。基礎事項の暗記を徹底することはシンプルですが簡単ではなく、時間もかかる作業です。
英語の学習を開始したらまずは単語文法の習得に集中し、できるだけ短期間で暗記してしまうようにしましょう。
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◆よくある誤解「医療英単語を暗記しておく必要がある」
医学部入試の英語では医療テーマの長文が出題されることも多く、医療に関わる英単語をよく目にするかと思います。
ただし、医療単語の習得はほとんど合否に影響せず、医療単語の習得よりも一般的な英単語・イディオムをしっかりと暗記し、文法事項を習得できているかの方がはるかに重要です。
医療単語の暗記を行う際は、基礎が徹底的に習得できた後、補足程度に行うのがよいでしょう。
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【(2)文法事項の習得】
英文法の習得をすることで、文法問題が得点源となるのはもちろんのこと、長文問題の成績の伸びにも繋がります。
まずは講義型参考書を読んで基本的な文法事項を理解しましょう。特に、SVOCなどの文型、自動詞と他動詞、修飾のルールなどは、ほぼ全ての問題を解く際に必要な知識であり、英語の得点力を伸ばすために必須と言えます。
基礎事項が一通り理解できたら、文法問題集に取り組みます。掲載されている事項をすべて暗記できるまで、アウトプットを繰り返しましょう。
選択肢から答えを選ぶ問題は、正解を選ぶだけでなく「その選択肢が正解である根拠」や「他の選択肢が間違いである理由」を考えるのがおすすめです。
【(3)英文の読み込み】
単語・文法の習得が一通り完了したら、英文の読み込みに入ります。
英文を速く・正確に読めるようになるためには、「正確に読む(精読)→速く読む(速読)→長文問題演習」の順に習得していくことが大切です。
この順番が逆転し、まずスピードから上げようとするのはNGです。はじめはスピードはゆっくりでいいので、文を正確に訳せるようになりましょう。
正確に読む(精読)→速く読む(速読)→長文問題演習の流れ
<STEP1:精読力を身につける>
文を正確に訳すために必要なのは精読力です。文構造を取ることで、初めて英文の内容が正確に理解できるようになります。
文構造を意識していない場合、単語を順番に訳し、それらを勝手に組み合わせて「何となく意味が通りそうな和訳」を作ってしまいます。このような読み方では、内容を誤読してしまったり、文章のレベルが上がった途端に内容が把握できなくなったりします。
文構造を取るためには、大前提として単語やイディオム、文法を習得していることが必要です。その上で、基本的な精読用の問題集を使用して、文構造の取り方を練習し、基本となる構文の暗記を行いましょう。
構文を暗記する時のポイントは、文法事項を理解した上で暗記しておくことです。構文の問題集を進める中で、文法上どのような構造なのかわからなくなったら、講義型参考書を用いて調べましょう。
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◆よくある誤解「医学部受験の英語対策=難解な構文の読解」
医学部受験生の中には、精読の応用問題に取り組んでいる受験生が少なくありません。
しかし、医学部入試では過度に難解な構文を訳させたり、難易度の高い英作文を課すような試験はごく一部の大学に限られています。
多くの医学部においては、基本的な構文を理解し暗記することで対応可能です。
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<STEP2:速読力を身につける>
医学部の英語では、試験時間に対して分量の多い長文が出題されることが多く、「いかに速く長文を読んで設問に回答できるか」が重要になります。
速読力をつけるには、返り読みをせずに読む練習をしましょう。返り読みをなくすためには、英文を何度も読み込んで、訳し下さなくても英文の意味が取れる読み方に慣れることが効果的です。このトレーニングを継続することで読むスピードが格段に早くなります。
注意点として、速読力を身につけるためには、すでに基礎事項を徹底的に習得していることが前提となります。まだ精読が十分にできない場合、速読しようとすると前から単語を追いながら、ただ単語を順番に訳してしまいます。
文構造がわからないまま単語を追うだけで読んでいる状態と、文構造を理解した上で(頭の中で構造を組み立てながら)前から読んでいる状態は、全くの別物です。
精読が十分にできない状態で無理に速く読んでも、英文の内容は正確に把握できず、設問に対応することはできません。必ずSTEP1→STEP2の順番で勉強を進めましょう。
<STEP3:長文問題演習を行う>
英文を速く正確に読めるようになったら、長文問題演習を行いましょう。
長文問題演習を行う際は、時間を測り制限時間つきで演習します。入試本番は時間制限が厳しいことが多いため、少し短く時間制限を設けるのもよいです。
演習後は、自力では解けなかった問題について分析を行いましょう。間違えた問題を分析することで、「単語・熟語」「文法」「構文」「精読」「速読」「読解」のどこが不足していたのかがわかるはずです。もちろん、原因は1つとは限らないので、「単語と構文が原因で解けなかった」というように複数の原因が見つかることもあります。
単語や文法といった基礎的な事項は、一回覚えても時間が経つと抜けてくるものです。基礎事項の抜けを感じたら、こまめに復習を行いましょう。
「読解」での失点については、「自力で正解するためには、どう読んだら良かったのか」を考えてみるのがポイントです。分析して得られた改善策は、次に長文問題演習を行う際に活かすことができます。
問題集で演習ができたら、後は共通テストの過去問や二次試験の過去問で演習を行いましょう。
【執筆】綿谷 もも
医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。
医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。
【監修】高梨 裕介
医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師
医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。
中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。
自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。
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