(※画像はイメージです/PIXTA)

受験勉強において、「やった方がいいこと」は無限に出てきます。しかし、限られた時間の中で全てを完璧に行うことはできません。要領よく入試範囲を習得するには、どうすればよいのでしょうか? 医学部医学科卒・綿谷もも氏が現役医大生時代に刊行した著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

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「要領のいい人」は優先順位の付け方がうまい

「要領がいい」というのは、「時間をかけるべきところに時間を費やし、それほど重要でないところは軽く済ませる」といった使い分けができることです。すなわち効率のいい学習ができている状態を指します。

 

一方、「要領が悪い」というのは、力加減に差をつけず全てに全力投球してしまったり、時間をしっかりかけるべきところをおろそかにしてしまう状態です。

 

同じくらい勉強時間を取っていたとしても、勉強時間あたりの成果が違うため、要領のよさによって得られる成果は変わってきます。

 

要領のいい人とは、言い換えると、優先順位のつけ方がうまい人です。「優先順位」は受験において非常に大切で、優先順位を適切につけることで学習効率を上げることができます。

困った時は優先順位を考える

例として、受験生から「〇〇はやった方がいいですか?」と相談を受ける時、わたしは必ず優先順位を考えています。

 

回答するにあたってよくあるのは、「いいか悪いかで言ったらやった方がいいけれど、こちらの方が優先順位が高いからまずはこれをやるべきだよね」となるケースです。

 

もし、基礎ができていないのに応用問題集をやるべきか迷っている人がいたら、「応用問題集をやるのが悪い訳ではないけれど、今の状況だったら基礎問題集の方が優先順位が高いよね」となる、ということです。

 

受験勉強において、「やった方がいいこと」は無限に出てきます。しかし、限られた時間の中で全てを完璧に行うことはできません。

 

「よりやった方がいいこと」つまり、より優先順位が高いことに力を注ぐことで、要領よく入試範囲を習得することができます。

具体的な優先順位の付け方

<問題集を進める時>

問題集を進める時、使い始めたのはいいものの、進め方がわからず苦労した経験はありませんか?

 

「どこまで理解、暗記したらいいんだろう」

「丁寧に進めたいけれど、そうすると時間がかかりすぎてしまう」

「どのくらいやれば問題集を完璧にしたと言えるのだろう」

 

と悩んでいる受験生は多いです。

 

問題集を使う時は、まずはここまで、次はここまで、それができたら…というように、学習の優先順位を考えてみましょう。

 

筋トレをする時、初めから最大限の負荷をかけるのではなく、小さな負荷を段階を追って徐々に大きくするはずです。それと同じように、勉強も徐々に負荷を上げていくのが大切です。

 

最初から問題集の内容を隅から隅まで一気に覚えよう、完璧に理解しようとすると、かかる負荷が大きすぎます。一度にかかる負荷が大きすぎるとキャパオーバーになり、学習効率が下がってしまいます。

 

例えば、「問題集の1周目はまずは解答を理解できたらOK、2周目は解答を自力で再現できるか確認する、それ以降は、もっと深く理解したり、暗記の幅を広げていく」というように、ステップを一段一段上げてみましょう。

 

優先順位を考え、「現時点ではどこまで習得するべきか」を判断することで、効率をぐっと上げることができます。

 

<模試前や入試前の復習の時>

模試前や入試前は普段以上に時間が限られているため、頭から復習しようとしてしまうと、やるべきところの復習に手がまわりません。

 

前提として試験範囲全てを復習することはできないため、優先順位の高い教科・分野から復習していく必要があります。

 

ここでポイントとなるのは、「より基本的な内容を優先すること」です。試験で最も避けたいのは、「皆が解けている問題で失点してしまうこと」であるため、基礎事項の復習が最優先と言えます。

 

皆が解ける問題を確実に得点するためにも、しばらく復習していないために基礎事項が抜けている教科・分野を優先するとよいでしょう。

 

もちろん適切な優先順位というのは、人によって全然違います。同じ人でも、時期や他の科目の状況によって優先順位は変動していきます。適切な優先順位を考えるためにも、普段から現状の分析をしていることが大切です(⇒関連記事:もったいない…成績アップに“直結”するのに、受験生の多くがやらない「模試後のひと手間」【元医学生講師が解説】)

 

 

【執筆】綿谷 もも

医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。

医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。

 

【監修】高梨 裕介

医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師

医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。

中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。

自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。

 

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※本連載は、綿谷もも著・高梨裕介監修の書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(幻冬舎ルネッサンス)より一部を抜粋し、記事化したものです。

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

綿谷 もも(著)
高梨 裕介(監)

幻冬舎メディアコンサルティング

【医学部に「最短距離」で合格する方法、教えます。】 現役医大生(※書籍刊行当時)の筆者が、自身の医学部受験経験、塾の講師として医学部受験生を指導してきた経験をふまえて、医学部受験に「本当に必要なこと」を徹底解…

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