「あの人よりも低評価なんて納得できない」人事評価への不満はなぜ起こるのか?…よくある“2つの原因”

「あの人よりも低評価なんて納得できない」人事評価への不満はなぜ起こるのか?…よくある“2つの原因”
(※写真はイメージです/PIXTA)

「あの人よりも低評価なんて納得できない」、「頑張っているのに評価されない」など、人事評価に対する不満はどの企業でも尽きません。正しく評価されないと感じる社員が増えれば、モチベーションの低下や人材流出につながる可能性もあります。このような人事評価への不満の原因について、『賃金が上がる! 指示ゼロ経営』(内外出版社)の著者である米澤晋也氏は、同書で「チームワークへの理解不足」を指摘しています。本記事では、「すべての社員が納得する人事評価を実現する方法」について、同書より一部抜粋・編集してお届けします。

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2.「未来志向の人事評価」

指示ゼロ経営では、未来志向で自分たちのチームを評価します。評価に用いる思考ツールは「何を」「何に」「どの様に」の3点セットです。

 

[図表]自己評価の思考ツール「何を」「何に」「どの様に」

 

「何を」

社長、上司も加わり、3ヵ月に1度ほど、チームの状態をチェックします。真っ先にチェックするポイントは、「統合プロセス」の階層1……思い、価値観に基づく行動ができているかどうかです。つい、土台となる思いや価値観を 飛ばして、階層3……「方法」だけに目が行きがちなので注意が必要です。

 

「何に」

現状を確認したら、3ヵ月後にチームはどうなっていたいか、何ができるようになっていたいか、理想を描きます。

 

「どの様に」

理想を実現するために、メンバー一人ひとりがやることを決めます。

 

ある会社では、指示ゼロ経営を導入して1年が経ちました。この1年間を振り返る会議が設けられ、私も同席しました。同社が大切にしている思い、価値観は「共創」です。会議が始まる前の雑談中に、ある社員さんが「そんなに成長していないんじゃない?」と自信なさげにつぶやきました。しかし実際は、多くの成長が見られました。

 

1年前は、自分の仕事しか見えていませんでした。困っている仲間がいても助けないどころか、仲間に関心を持っていないので、困っていることすら気付かなかったと言います。今では、日々、「調子どう? 大丈夫?」と仲間に確認をしたり、「倉庫に行くけど、何か必要なものある?」と聞くようになったと言います。

 

3ヵ月後の理想では、「日常業務だけでなく、経営計画の内容に関しても、仲間の進捗を意識できるようになりたい」という意見や、「勉強会をして、仲間から学ぶ機会をつくりたい」という意見が出ました。これらを、今後3ヵ月間の成長課題に設定し、そのための計画を立てました。

 

振り返りは社員主体で行いますが、社長、上司も加わり、客観的な視点から指摘とアドバイスを与えることが大切です。自分たちのことは客観的に見ることができず、過小評価をしたり、逆に、自分たちに都合よく評価をしたりしがちだからです。

 

自己評価が習慣化されると、自律的に学習するチームになりますし、チームの成長を確認でき、自信を持てるようになります。チームの定例行事として、定期的に開催することをお勧めします。

 

 

米澤 晋也

株式会社Tao and Knowledge代表

株式会社たくらみ屋代表

一般社団法人夢新聞協会理事長

 

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賃金が上がる! 指示ゼロ経営

賃金が上がる! 指示ゼロ経営

米澤晋也

内外出版社

【内容】 本書の目標はズバリ、<賃金が上がる>企業を増やすことです。 しかし、賃金が上がらない時代において、“安易な賃上げ”は、かえって社員のモチベーションや企業の稼ぐ力を低下させてしまいます。そうならないため…

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