今週の注目点…FOMC、そして日銀会合
今週は、水曜日がFOMC、木曜日がECB理事会、そして金曜日は日銀の金融政策決定会合といった具合に、日米欧の金融政策の会合が続くところとなります。それ以外に、木曜日、27日は米国の4~6月期のGDP成長率(速報値)の発表も予定されています。
金融市場が過敏に反応する、米国など主要国の金融政策、そして「世界一の経済大国」である米国の景気についての代表的な指標の発表が続くことになるわけです。以下で、そういった注目イベントについて個別にみて見たいと思います。
■FOMC
■米4~6月GDP
今のところの事前予想は、前期比年率で2%以上。3月の金融システム不安を受けた米景気後退(リセッション)への懸念の後退を確認することになりそうです。
また、米国の経済成長率が潜在成長率とされる2%以上を推移するなかでは、経験的には株価の急落も起こりにくいということがあります。
■日銀の金融政策決定会合
日銀の政策判断を巡る状況は、物価高、株価の一段高、円安再燃などといった変化が少なくありません。こういったなかで、金融緩和の修正が注目されているわけですが、最初の政策変更となりそうな対象として注目されているのが、YCC(イールドカーブ・コントロール)のなかで行われている10年債利回り上限の見直しです。
ただこれについて、最近の植田総裁の発言や一部報道などから、7月末の会合での見直しはなさそうとの見方が有力になっています。
重要イベントは多いが…「円安の再燃」は限られるか
以上、今週予定されている注目材料を、主なものについて個別にみてきました。今週は、これらの注目イベントの結果を受けて、値動きが大きくなる可能性があるでしょう。
ただし、すでに見てきたように、米ドル買い・円売りへのポジションの傾斜が大きいこと、そして米利上げも終盤にあるといった見方に大きな変化がない限り、これまで比較的似たプライスパターンが展開してきた米ドル/円だったものの、1年前に比べると米ドル高・円安の再燃には自ずと限度があるのではないでしょうか。
米ドル/円にとって、142円はテクニカルに重要な分岐点と見られます。ただそんな142円を超えることがあっても、これまで見てきたことからすると米ドル/円上昇は限られる可能性があるのではないでしょうか。
以上を踏まえると、今週の米ドル/円の予想レンジは138~144円で想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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