返済中に過払い金を請求するデメリット
信用情報に登録される可能性がある
返済中に過払いを取り戻すためには、どこかの段階で返済を止める必要があります。返済を止めると信用情報に異動情報(「返済が遅れている」「債務整理を始めた」といった情報)が登録される可能性があります。
その情報は他の貸金業者や金融機関等も閲覧できるため、他社の審査に影響が出る可能性がでてきます。そのためこの異動情報が載ることを一般的にブラックリストに載る等と言われます。
結果的に借金がなくなり、過払いが返金される場合はそもそも異動情報が載らない可能性もありますし、載っても半年から1年程度で消えますが、借金が残ってしまう場合はその借金を完済してから5年程度残るとされています。
過払い金を請求した消費者金融やカード会社から新たな借入れができなくなる可能性
業者によって対応は違うので一概には言えませんが、過払い金を請求すると大半の業者が解約状態になります。
過払い金を取り戻した後に、カードの再発行や再借入れを申し込んだ場合に断られる可能性はありますが、審査の基準は外部からはわかりませんので、過払い金を請求したことが原因かどうかはわかりません。
書類等を見られて同居の家族に借金をしていることがバレる可能性がある
郵送物がある場合は、送り主に事務所名を出さないことも可能です。
完済後に過払い金を請求するメリットとデメリット
信用情報に載ることはあるか
完済後に請求する場合は、信用情報に異動情報が載ることはありません。
過払い金を請求した消費者金融やカード会社に新たな借入れができなくなる可能性
返済中に請求する場合と同様に、借入れができなくなる可能性はあります。
家族にバレる可能性
郵送物がある場合は、送り主に事務所名を出さないことも可能です。
過払い金請求がうまくいかないリスク
そもそも過払い金が発生していなかった
大手の貸金業者は平成19年(2007年)の間に新規の貸付については金利を法定利率に下げており、それ以降に取引を始めた場合は過払い金は発生しません。
また、銀行や信用金庫が債権者の場合も以前から法定利率を守っており、過払い金は発生しません。
過払い金は発生していたが時効となり取り戻せない
通常キャッシングを完済してから10年経過すると時効により取り戻せません。
過払い金は発生していたが回収が困難な業者だった
中小の貸金業者のなかには誠実な対応をしない業者もあり、法律上過払い金の返還義務があっても応じない業者があります。
過払い金が少額で専門家に依頼する際の着手金で赤字に
当事務所では着手金はいただいておりません。
調査だけでも早めの対応を
手続きが遅くなればそれだけ時効のリスクも増えますので、平成19年以前から消費者金融やクレジットカードでキャッシングされた経験のある方は調査だけでも早くされることをお勧めします。
寺島能史
司法書士法人みどり法務事務所代表
司法書士