パパ活の収入は「現金手渡し」でも税務署にバレるの!?
パパ活自体の是非は置いておいて、まずもって得た収入については申告と納税の義務があります。中には、「現金手渡しだからバレない!」「申告しないようにしよう」と思っている方もいますが、それは考えが甘いかもしれません。
お金の受け渡しが振込みでない場合、もちろん税務署から見ればわかりづらいです。ただ、わかりづらいだけで、バレないというわけではありません。
現金を介した所得隠しというのは、パパ活のみならず、古くから「売上逃れ」「相続逃れ」で使われてきた手法です。税務署にはそれを発見するプロとしての知識の蓄積があります。では、パパ活で得た収入はどのように発見されるのか? その考察をしていきます。
パパ活の収入はこうしてバレる
どんなケースで発見されるのでしょうか。4つのケースを紹介します。
①運営会社から芋づる式にバレる
タイトルにある追徴課税1,100万円の事例は、実は運営会社からその情報を捕捉されたケースです。マッチングアプリを利用してパパ活を行っている場合、そのアプリの運営会社は、顧客情報を有しています。そのため税務署が運営会社を調査すれば、その利用者を簡単に把握することができるのです。運営会社のリストから、高額な収入を得ているのに申告をしていない女性が芋ずる式に把握され、そこに対し税務署が「お尋ね」をするという流れです。
②男性側への税務調査からバレる
男性側への税務調査で発覚するケースもあります。いわゆるパパ活を行っている男性は経営者・投資家など高所得な方が多いです。高所得な方すなわち税務調査が入りやすい方々ということです。男性側に税務調査が入り、使途が不明な現金の引き出し・振り込みがあった場合、追及されてその相手先(パパ活女子)がわかり、相手先にも調査が入るといった流れです。
③SNS・密告でバレる
税務署では、効率的に税務調査の対象とすべき人を見つけるためにSNSチェックを活用しています。ですから派手な飲みの写真・高額プレゼント、豪華マンションや高級外車などをSNSに投稿している人は注意が必要です。豪華な暮らしに見合う申告や納税をきっちりしているのか? 税務署は目を光らせています。
また、以前からいわゆるタレコミによる調査も行われています。国税庁HPには、匿名通報のための「情報提供フォーム」が用意もされています。トラブルになったパパから、あるいは自慢話をしていた友達から反感を買い、通報されて税務調査へつながったというケースもあります。
④高額商材の購入でバレる
高額な収入を得たのち、まったく消費しないで現金で持ち続けるという人は少ないでしょう。パパ活で得た収入はバック・外車・不動産などの高額商材の購入に充てられるケースも多くあります。税務署は、デパート外商部や高級外車ディーラー等から購入者リストを定期的に入手しています。また200万円を超える金・プラチナの売却情報は、支払調書として入手しています。ですので、高額商材を買っているのに、確定申告をしている形跡がない? では、その収入はどこから?と税務署は考えるのです。
パパ活の課税関係は?
得た収入には、確定申告と納税の義務があります。
パパ活に関しては、ビジネスとして得た収入なのか、プレゼントとしてもらったお金(贈与)なのかで課税関係が変わります。ビジネスとして得た収入は「所得税」の確定申告が必要となります。所得(税)はビジネスの対価なので、たとえば接客による対価として受け取った場合は、所得税の申告対象となります。
一方で、プレゼントとしてもらったお金・物品の年合計額が110万円を超える場合には、「贈与税」の確定申告が必要です。
ケースにもよりますが、運営会社等から振り込まれるお金は所得、男性からのいわゆる「お手当」は贈与にあたると思われます。
税務署にバレたらどうなる?「無申告」に対するペナルティ
無申告の状態が判明した場合、通常納める税金に加え、ペナルティとして追加の税金を払う必要があります。
- 調査前に自主的に納付……未納税額×5%
- 調査で発覚……未納税額×15%~20%(悪質な場合は40%)
調査前に自主的に納付した場合には、ペナルティが軽減されますので、過去の分も不安だと思ったら、過去分も含めて自主的に申告することが重要です。
しっかり申告をしよう!その際の節税方法も紹介
パパ活の収入に対し、「所得税」を払う場合は、「必要経費」を費用として計上することができます。経費と聞くとあまりピンと来ないかもしれませんが、たとえばキャバクラが、売上金額から家賃・酒の代金・人件費・広告代を引いて残った利益に対して税金を払うのと同じことです。
パパ活をするためにかかった経費としては、大まかに以下のようなものが考えられます。
●パパ活アプリの利用時、その他かかった携帯代などの通信費
●パパ活のために使った服代や化粧品、美容室等の美容代など
●指定の場所へ向かう際の往復交通費 など
これらのレシート・領収書をしっかりと保管しておき、確定申告のときに経費として申告すれば、税金の額を減らすことができます。
また「ふるさと納税」「iDeCo」「医療費控除」といった税の優遇制度も通常の確定申告同様に使えますので、検討してみてもいいでしょう。
まとめ
コロナ禍において激減していた税務調査が、通常の稼働へと戻っています。パパ活を使う羽振りのいい男性・その運営会社に税務調査が入り、そこから女子への税務調査が!というケースは今後増加してくると思われます。
「パパ活で得た収入はしっかりと申告をすべきもの」という理解とともに、脱税(無申告)ではなく節税によってきちんとした対策を取ることが重要です。
黒田 悠介
税理士法人Bridge 代表
税理士・政治資金監査人
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