小学校入学後、親御さんのちょっとした悩みの種になるのが、「放課後をどう過ごすのか」問題。それは発達に不安を抱えたり障害をもつお子さんの親御さんでも例外ではありません。その役目を担ってくれるのが放課後等デイサービスという通所支援サービスです。社会生活に困難を抱える子が自立を目指すためのトレーニングも行ってくれるこのサービスについて、株式会社アイラ代表の遠藤千尋さんにお話を伺いました。
「放課後等デイサービス」とは?支援内容や利用方法、事業所選びのポイント ※画像はイメージです/PIXTA

 

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放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、発達過程において課題を持っている子どもたちが学校終了後や長期休みに通って、将来的に就職や自立をするために社会適応力をトレーニングする場所です。

 

また発達に問題を抱えるお子さんの子育て相談や親御さんの働く時間を確保するという保護者支援の側面もあります。

 

どんな先生にみてもらえるのか?

放課後等デイサービスには、保育士や児童指導員、教員、社会福祉士、精神保険福祉士などの有資格者が勤務しています。事業所によっては理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を入れているところもあります。

 

利用するのに障害者手帳は必要?

放課後等デイサービスは小学校1年生から高校3年生まで利用できます。いわゆる「発達グレーゾーン」といわれるお子さんから、医療的なケアが必要なお子さんまで幅広く対象になっており、療育手帳や障害者手帳は必要ありませんが、お住まいの自治体で障害児通所受給者証を取る必要があります。

 

放課後等デイサービスの利用料金や利用回数

利用料金はどのくらい?

放課後等デイサービスの利用料金は、基本的には公費で賄われており、自己負担額は1割です。世帯の所得によって異なり、以下のような3つに分類できます。

 

【世帯所得と月額上限】

非課税世帯:0円

世帯所得 年収約890万円まで:4,600円

世帯所得 年収約890万円以上:37,200円

※月の利用回数によって金額は若干異なります。

 

ちなみにおやつ代や教材費、行事費や外出にかかった実費などが別途かかる場合もあります。

 

利用回数はどうやって決まるのか?

自治体で障害児通所受給者証を申請する際に審査があり、そこで月の利用回数の上限が決まります。この回数は障害の状態だけではなく、ご家庭の状況や養育環境なども加味して決定されます。決められた回数以内であれば、複数の施設に通うことも可能です。例えば施設Aと施設Bの2か所と契約し、それぞれ週に2回ずつ通うということもできます。

 

放課後等デイサービスの利用までの流れ

ここではグレーゾーンを含めた発達障害のお子さんを例にとってご紹介します。

 

STEP1:医師に診断してもらう

乳幼児検査や就学時健診などで発達に指摘を受けた場合は、児童発達支援サービスや発達外来などに相談に行き、医師による診断を受けます。

 

STEP2:障害児通所受給者証を申請

医師による診断と必要書類を揃えて、お住まいの自治体に障害児通所受給者証を申請してください。障害児通所受給者証とは放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用するために必要な証明書になります。

 

STEP3:事業所探しと見学

ご希望の事業所に空き状況を確認して実際に見学を行います。

 

STEP4:事業所と直接契約

事業所が決まったら直接契約を結びます。児童発達支援管理責任者という専任のスタッフが支援の計画を立てて実利用が開始します。