「遺言執行者」とは何か、知っていますか? どのような役割を持ち、どのような人がその役割を果たすのでしょうか。後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、僧侶兼行政書士兼相続診断士という、異色の経歴を持つ梅園浄氏が監修した記事を一部編集してお届けします。
愛人への贈与など心理的に抵抗のある遺言執行
隠し子の認知や愛人への贈与など、他の相続人にとって心理的抵抗のある内容を遺言に盛り込んだ場合、遺言執行時にトラブルを招いてしまう可能性が高くなることが考えられます。
デリケートな執行内容にもかかわらず、相続人の中から遺言執行者を選んだ場合、スムーズに相続手続きが進んでいかないかも知れません。
手続きがスムーズに進まない可能性がある場合、利害関係のない専門家を遺言執行者の代理人に立てることで、トラブルが万が一起きてしまった場合も、対処方法を見出し、解決へと導くことができます。
遺言執行者の代理人になる際は、「利益相反」に注意を!
主に弁護士が遺言執行者の職務に就く場合の話ですが、遺言執行ではたびたび利益相反が問題になります。遺言執行者は相続人「全員の利益のために」働く立場にあります。特定の相続人の代理人、つまり味方になることはできないので、その点は理解しておく必要があります。
例えば、弁護士Aが遺言執行者に選任され、相続人B、相続人Cのために働くとします。
ここでBとCの間で(相続の取り分で揉めるなど)何らかの紛争が起こった場合、弁護士AはBの依頼を受けてCと争うことはできません。B、C全員の利益のために働くという遺言執行者の立場に相反するためです。
これを「利益相反の禁止」と言います。
遺言執行者を専門家に依頼した場合にはどのくらいの費用が必要? 相場をご紹介
弁護士や司法書士、税理士、行政書士などの士業に遺言執行者の依頼をした場合、どのくらいの費用が必要なのでしょうか?
不動産の数や銀行の数にもよりますが、よくある報酬基準として、遺産総額の1%から3%、最低金額は30万円からといった料金体系が多いようです。
各士業により、必要な費用も多少違ってくる場合も多いため、相続手続きなどに携わっている士業などの専門家に、まずは相談してみると良いでしょう。
株式会社サステナブルスタイル
代表取締役
株式会社サステナブルスタイル代表。遺品整理の現場で残された家族の姿をたくさん見てきた経験から、明らかに「円満なご家族」と「不穏な空気のご家族」に分かれることに気がつき「円満な相続」を迎えるために何ができるだろう、と考えたことをきっかけに、2022年8月10日、23篇に及ぶ相続に関する実話を紹介する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版。Amazonの日本文学(日記・書簡)カテゴリで1位を獲得。同書籍の抜粋転載記事は、Yahoo!ニュースのライフカテゴリでアクセス数1位を記録。
相続終活のWebメディア「円満相続ラボ」を運営し、相続を円満に終えるために必要なノウハウを発信している。
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連載相続・終活の疑問を解決!円満相続にたどり着く方法を具体例とともに徹底解説
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円満相続ラボは「全ての家庭に、相続の『かかりつけ医』を。」をコンセプトに、相続終活の情報発信を通じて、争う相続を減らし円満相続に貢献することを目的としている相続終活のWebメディア。まだまだ相続について詳しくない方が多い中で「円満相続ラボ」を通じて、相続の「こんなはずじゃなかった」を減らしていくために日々情報発信を行なっている。
相続終活に関する情報提供はもちろんのこと、コラムを読んでくださった方が抱えている課題に合った相続の専門家の派遣も行っている。
相続終活メディア「円満相続ラボ」
運営:株式会社サステナブルスタイル
協力:株式会社スタルジー
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浄土真宗本願寺派 僧侶・行政書士・相続診断士・終活カウンセラー2級
浄土真宗の僧侶としてお寺を護りながら、お寺を相続や終活など様々な悩みを気軽に相談できる場所にしたいという思いから、行政書士・相続診断士・終活カウンセラーとして相続などに携わらせていただいております。
また、様々な地域の宗教法人さまの事業サポートにも力を注いでおります。例えば、納骨堂や墓地に関してや、法人活動の中で必要な行政手続きなど、様々なお悩みについて、ご相談を承っております。
うめたけ行政書士事務所
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