●税金(登録免許税や贈与税、相続税など)
前述のとおり、登記では登録免許税がかかります。不動産取得税は売買や贈与で土地を取得する場合にはかかりますが、相続ではかかりません。
土地の生前贈与では、年間110万円を超える額に対して税率10%~55%で贈与税がかかり、贈与額が大きいほど税率が高くなります。
ただし、夫婦間の土地の贈与で配偶者控除を使える場合は2,000万円まで税金がかかりません。配偶者控除を使えるのは、婚姻期間が20年以上であることや贈与財産が居住用不動産であることなど、一定の条件を満たす場合です。
相続で土地を取得する場合は相続税の課税対象となりますが、遺産額が基礎控除額以下であれば相続税はかかりません。
基礎控除額とは「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算した金額で、土地以外の遺産と合わせた遺産総額がこの金額以下であれば相続税はかからずに済みます。
●司法書士に支払う報酬(専門家に依頼する場合)
多くの司法書士事務所では、登記する物件の数や収集した戸籍謄本通数等によって報酬額が変わります。報酬の体系や金額は司法書士事務所ごとに異なるので、司法書士に依頼する際はよく確認するようにしてください。
相続登記であれば司法書士に支払う費用は「7~15万円」が相場といわれています。
土地の名義変更をするときの注意点
必要書類に漏れがあると受け付けてもらえず、手続きに時間がかかることがあります。余計な手間をかけないためにも、必要書類の種類は最初の段階でよく確認しておきましょう。
土地の名義変更で一般的に必要になる書類は前述のとおりですが、ケースによっては追加で書類が必要になる場合があります。手続きで何の書類が必要になるのか分からない場合は、司法書士に相談するようにしてください。
手続きの期限にも注意が必要です。相続税がかかる場合は10ヵ月以内に、贈与税がかかる場合は翌年2月1日~3月15日に、それぞれ申告をしなければいけません。申告期限を過ぎると延滞税や無申告加算税を課されてしまいます。
登記に関して2022年10月時点では原則として期限はありませんが、登記をしないと売却や不動産担保の借入ができないなど困ることがあるので、名義変更が必要な場合には速やかに手続きを済ませてください。
もっとも、2024年4月以降は法改正により相続登記が義務化さるので、不動産を相続した場合には原則として3年以内に登記をしなければなりません。
土地の名義変更は自分でできる? 司法書士に依頼すべき?
土地の名義変更は、自分で行うことも司法書士に依頼することもできます。どちらにするか迷った場合は、以下で紹介するそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて決めるようにしてください。
●自分で行えば費用は抑えられるが手間がかかる
自分で行えば、司法書士に支払う報酬がかからずに済み、費用を抑えられる点がメリットです。ただし、市区町村役場や法務局は平日しか開いていないので、平日に仕事がある人は仕事を休んで手続きをしに行かなければいけません。
また登記に慣れていない人が自分でやろうとすると途中でミスをして、手続き完了までに時間がかかる場合があります。
●司法書士に任せればミスなくスムーズに手続きを終えられる
司法書士に手続きの代行を頼むと費用はかかりますが、必要書類の取得から登記申請まですべて任せれば、自分でやる場合のような手間はかからず負担を軽減できます。
また、専門家に任せることでミスなくスムーズに土地の名義変更を終えられる点もメリットのひとつです。慣れていない人が自分で手続きをすると書類の不備等で、時間がかかる場合がありますが、司法書士に依頼すればそのような心配はありません。
一般の人には対応が難しく複雑な場合でも、司法書士であれば安心して任せられます。
まとめ
売買や生前贈与、相続などで土地を取得すると、名義変更が必要になります。また、上記の話は土地だけでなく、家などの建物の名義変更も全て同様です。
登記は自分でもできますが、必要書類を揃えたり書類を提出したりする手間がかかるので、手間や時間をかけたくない場合は司法書士にすべて任せることも選択肢のひとつです。
専門家に代行を頼むと費用はかかりますがミスなくスムーズに手続きを終えられます。