(※写真はイメージです/PIXTA)

離れた場所に住む子どもが、親が亡くなったタイミングで帰省し、そのまま流れで遺産分割協議を行うというケースは、非常に多くみられます。しかし、遺産分割協議を行ったあとに被相続人の借金が発覚した場合、思わぬトラブルに発展すると、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏はいいます。こういった事態を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。本記事で詳しくみていきましょう。

相続放棄ができない事態を防ぐ「3つのポイント」

「相続放棄ができない!」という事態に陥らないためには、以下の3つのポイントに気をつける必要があります。

 

1.故人の財産に手をつけない

まず、遺産の全容がわからないうちは、亡くなられた方の財産に手をつけるようなことは絶対にやめましょう。

 

2.遺産分割協議に参加しない

また、遺産分割協議に参加することも控えていただく必要があります。

 

3.負債調査を行う

さらに、負債の調査をしっかりと行っておきましょう。郵便物や保管物、通帳の確認を行い、信用情報機関に問い合わせる必要もあります。

 

信用情報機関というのは大きく分けて「JICC(日本信用情報機構)」「CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つがありますが、この3つとも照会し、問い合わせておくことが重要です。

 

金融機関からの借入やクレジットカードのローン等に関しては、信用情報機関に必ず記載があるため問い合わせればわかりますが、個人間の借金はなかなかわかりづらいです。借用証書などの書類がないと、借金が判明しないまま相続してしまう場合もあるため、十分に注意が必要です。

 

また、信用情報機関に問い合わせをするにしろ、これは郵送で行うためかなりの時間(3週間~4週間)を要します。

 

3ヵ月の熟慮期間内に相続放棄をしなければならないなか、調査に時間を要して相続をするか・相続放棄するか決定できない場合には、家庭裁判所に申し立てることで熟慮期間を延長することが可能です。

 

相続放棄を検討するのであれば、同時進行で一気に手続きを進めていかないと間に合わないため、財産調査は個人で行うよりは専門家に依頼するほうがスムーズです。

 

◆まとめ

相続放棄手続きを失敗しないためにも、自らが相続人となる可能性がある人の情報については、生前のうちにある程度は把握しておいたほうがいいでしょう。

 

相続が発生した場合、

 

1.まずは財産調査をしっかりを行う
2.相続放棄を希望する場合は、熟慮期間がわずか3ヵ月であるため早めの手続きを行う

 

というのがポイントです。

 

相続財産の調査に関しては、相続の専門家である弁護士や司法書士に早期に依頼し、のちのトラブルを防ぐことにつながります。

 

<<<【司法書士が解説】遺産相続or相続放棄…選択時に検討すべきポイント>>>

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所

代表司法書士

 

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