(※写真はイメージです/PIXTA)

日本の所得税は、課税対象額の増加に応じて増加部分に順次高い税率を課す「超過累進税率」が採用されています。所得が多ければ多いほど、課される所得税が増えるため、どのくらいの年収に対し、どのくらいの所得税が課されるのか把握しておくことが大切です。本稿では、資産運用・税金対策を専門とするネイチャーグループが、年収別の所得税について解説します。

日本の所得税の税率

日本では、分離課税が適用されるものを除き、得られた所得に対して5%~45%の7段階の所得税が課されます。所得税の税率は、各種控除を引いて算出された所得金額に応じて図表1のように異なります。

 

参照:国税庁「No.2260 所得税の税率」
[図表1]日本の所得税の税率(令和4年4月1日現在法令等) 参照:国税庁「No.2260 所得税の税率

 

所得が5,000万円の場合、45%の税率が課されると思っている方もいるかもしれませんが、45%の税率が適用されるのはあくまでも4,000万円を超えている部分のみです。そのため、実際に課される所得税は45%よりも少なくなります。

 

本来は課税される所得金額ごとに所得税を算出して合算しますが、図表1の速算表を用いれば簡単に所得税を算出することが可能です。

 

すなわち、5,000万円に45%をかけた金額から479万6,000円を差し引いた金額が所得税となります。その結果所得税は1,770万4,000円となり、税率としては35.4%と、45%よりも低いことがわかるかと思います。

 

同様に、例えば課税される所得金額が1,000万円または3,000万円の方は、以下の計算式で所得税を算出できます。

 

1,000万円×0.33‐153万6,000円=176万4,000円

3,000万円×0.4-279万6,000円=920万4,000円

 

課税される所得金額が1,000万円の方の所得税は17.6%程度、3,000万円の方は30.7%程度が目安と言えるでしょう。

【早見表】年収別の所得税

課税される所得金額は年収によって大きく異なります。年収別にまとめた所得税の早見表は図表2の通りです。

 

[図表2]早見表:年収別の所得税

 

図表2のように課税される所得金額が大きくなるほど、所得税の割合が増えます。

 

令和5年度税制改正大綱には超富裕層への課税強化が盛り込まれているため、うまく控除を利用して所得税の負担を抑えることが求められるでしょう。

まとめ

超過累進税率では、所得が増えると高い税率が適用される仕組みとなっていますが、所得の全体に対して高い税率が適用されるわけではありません。

 

課税される所得金額の区分ごとに所得税を算出しなくてはなりませんが、所得税の速算表を用いれば、簡単に課税される所得金額に対する所得税を算出できます。

 

日本の税制では、所得金額が多いほど所得税の割合が増え、今後は超富裕層への課税強化が予定されています。所得税を少しでも抑えるためにも控除や法人化といった様々な角度からの対策を取り入れましょう。

 

次回は、所得税がいくらから課されるのかについて詳しく解説します。

 

 

ネイチャーグループ

 

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