(※画像はイメージです/PIXTA)

日本では年間約130万人の方が亡くなっています。つまり相続税の課税対象になろうが、なかろうが、130万通りの相続が発生しているのです。お金が絡むと、人はとんでもない行動にでるもの。トラブルに巻き込まれないためにも、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが大切です。編集部に寄せられた事例のなかから、介護問題も絡むトラブルをみていきます。

女性に負担が集中しがちな介護…不満の蓄積が介護問題に発展

遺留分とは、亡くなった人(被相続人)の兄弟姉妹以外の近しい関係にある法定相続人に最低限保障される遺産取得分のことです。この権利は遺言によっても奪うことはできません。遺留分を有するのは、配偶者、子(代襲相続人も含む)、直系尊属(被相続人の父母、祖父母)。また遺留分の相続財産に対する割合は、以下の通りです。

 

(1)配偶者のみが相続人の場合:1/2

(2)子のみが相続人の場合:1/2

(3)直系尊属のみが相続人の場合:1/3

(4)兄弟姉妹のみが相続人の場合:遺留分なし  

(5)配偶者と子が相続人の場合:配偶者が1/4、子が1/4

(6)配偶者と父母が相続人の場合:配偶者が1/3、父母が1/6

(7)配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合:配偶者1/2、兄弟姉妹は遺留分なし

 

厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2019年)によると、介護者の5割強が同居の親族。その内訳は「配偶者」が23.8%、「子」が20.7%、「子の配偶者」が7.5%と続きます。また同居している主な介護者のうち女性の割合は65.0%と、女性に介護負担が集中しがちです。

 

ほかの家族の助けもなく……そうなると不満は蓄積され、介護後に生じる相続でトラブルに発展しがちです。よく話し合って、介護する側もされる側も、納得の答えをだしたいものです。

 

*参照:日本支援センター 法テラス「遺留分とは何ですか?」

 

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