(※画像はイメージです/PIXTA)

日本では年間約130万人の方が亡くなっています。つまり相続税の課税対象になろうが、なかろうが、130万通りの相続が発生しているのです。お金が絡むと、人はとんでもない行動にでるもの。トラブルに巻き込まれないためにも、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが大切です。編集部に寄せられた事例のなかから、介護問題も絡むトラブルをみていきます。

10年間の介護生活…父の決断は

体力的にも大変な在宅介護は、その後5年ほど続き、賢持さんは85歳で旅立っていきました。「ありがとうと何度も言ってくれて。幸せそうな顔をみたら、大変だったけど家で看取れて、ほんとうに良かったと思います」と陽子さん、合計10年にも及ぶ介護生活を振り返ります。

 

「小さかった子どもが、もう高校生ですからね。時の流れを感じます」

 

葬儀がひと通り終わり、実家に久々に3人兄妹が集まった人のこと。「あれは修羅場でしたね」と陽子さんは振り返ります。3人が集まるように招集したのは誠さん。父・賢持さんの遺産をどのように分けるか決めようというのです。

 

「相続人は俺らだけだから、普通に等分すればいいと思っているんだが。あっ、この家(実家)は別な。お前(陽子さん)が相続すればいいから」と誠さんが口火を切りました。

 

「待って、お父さんは遺言書を残してくれているの。それを優先しましょう」。生前、賢持さんは陽子さんに遺言書を作成したことを伝えていました。「その時が来たら頼む」と。後日、検認し、その遺言書に書かれていたことに、誠さんと聡さんは衝撃を受けます。その内容は「すべての財産を陽子に相続する」というもの。その額、実家のほか2億円……。

 

「こんな遺言、認めるわけにはいかない!」。誠さんも聡さんも、遺言書の内容をみて激怒。怒りの矛先は陽子さんに向かいました。「お前、父さんを騙して、こんな遺言書を書かせただろう!」

 

責め立てる兄を前に、大きく深呼吸をした陽子さん。そして今までの想いを口にしました。「ふざけないで! この10年、何もしてないのに、何を虫のいいことを言っているのよ!」。あまりの形相に、ひるむしかない誠さんと聡さん。最初の勢いを完全になくしたといいます。

 

「10年分の想いをきちんと吐き出すことができて、スッキリしました」と陽子さん。後日、陽子さん自らが、遺留分を意識して遺産分割案を2人の兄に提案。兄妹3人ともこの案に合意し、遺産分割がされたといいます。

 

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