68歳からの受け取りが目安のひとつ
下記の図表3は、65歳で額面180万円の老齢年金をもらう人が、75歳までの繰り下げ受給開始年齢ごとに、90歳時点での年金額面総額と手取り総額を比較したものです。このケースでは、71歳から受け取りを開始した場合に、最も手取り額が多くなることがわかりました。
しかし、70歳以降まで年金を繰り下げするには、それまでの収入を確保しなければならないなどの課題もあります。
また内閣府の高齢社会白書令和4年版によると、健康寿命(日常生活に制限のない期間)は、男性で72.68歳、女性で75.38歳です。もらい始めるタイミングが遅いと、楽しむためにお金を使うということができないかもしれません。
図表4は、各受給開始年齢から年金手取り総額が最も多くなる寿命を表したものです。ちょうど男性の平均寿命に近い84~86歳で手取り額が最大になるのは、68歳からもらい始めた場合です。68歳ならば、65歳から3年待てば済み、健康寿命までに楽しむためのお金を使う時間もありそうです。
◆90歳まで生きた場合、一番得する受け取り開始年齢は?
モデルケース
年金月額15万円(年額額面180万円)
所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみ
東京都在住
頼藤 太希
株式会社 Money & You 代表