やみくもに探すのは非効率! 入札案件の探し方、基本と応用
入札案件情報の探し方の基本は、発注機関(行政・公共機関)のWebサイトをチェックすることです。ここでは一例として、千葉市役所のWebサイトを紹介します(図表5)。図表赤枠で示したところに案件情報があり、誰でも情報を閲覧することができます。
しかし、入札市場には8,000以上の発注機関があり、1日平均4,000~5,000件程度の入札案件が公示されています(入札情報速報サービス NJSS 調べ)。この膨大な量の入札案件情報のなかから、自社とマッチした情報を探し出すことは、非常に困難を極める作業です。
この問題を解決する方法の一つとして活用する企業が増えているのが、各発注機関が公示する案件を一元的にチェックすることができる「入札情報速報サービス」です。
図表6は入札情報速報サービスNJSSに「システム 開発」というキーワードを入力して、公示されている案件を検索している画像です。
このように入札情報速報サービスでは、さまざまな機関が公示している同種の案件を一覧で確認できるため、自社とマッチした入札情報を効率よく収集することができます。
案件名だけでは、自社が参加できる案件かどうか把握できない場合、公示書の内容を確認しておくことをおすすめします(図表7)。
公示書を確認し、自社が参加できる可能性があると判断できたら、公示書よりも更に詳細の内容が書かれている「案件仕様書」を取得しましょう(小規模案件では仕様書が存在しない場合もあります)。
案件仕様書は発注機関にまで直接取りに行く場合の他、郵送・メール・FAXを受け付けている場合もあります。近年は、電子入札システムの普及もあり、オフィスに居ながらにして、書類を取得することもできます。
入札方式の主な種類7つを理解しよう!
入札方式には、主に次の7種類の形式があります。
(1)一般競争入札
最も基本的な入札方式が一般競争入札です。入札参加資格を取得していれば、基本的にどの事業者でも参加できます。最も有利な条件を提示した入札者が、発注機関と契約できます。
(2)企画競争入札
企画競争入札は、あらかじめ発注機関側が提示した予算額の範囲内で、複数の企業のなかから、定められたテーマの企画書などの内容を審査し、最も優れた提案をした企業と契約する方式です。発注機関によっては、プロポーザル形式という名称で公示されることもあります。
(3)指名競争入札
発注機関が特定の企業を指名し、そのなかから発注機関側に最も有利な条件を提示した入札者と契約するのが、指名競争入札です。公平性が担保しにくいという理由で、近年は公示数が減少しています。
(4)随意契約
随意契約は、入札者同士で競争をすることなく、発注機関が任意で決定した企業と契約する方式です。入札方式のなかでも例外的な方式の一つで、公平性を担保するため、なるべく2社以上の企業から見積もりを取ることが推奨されています。
(5)オープンカウンター(見積もり)
最低金額を提示した入札者と契約する簡易型一般競争入札です。オープンカウンター(見積もり)方式は一般競争入札に比べて、入札案件の予定予算額が低いものに用いられる場合が多く、公示日から書類の提出期限日まで短いことが多いのが特徴です。
(6)希望制指名競争入札
希望制指名競争入札は、希望する企業のなかから入札の参加者を選定して行う方式です。発注機関によっては、公募型指名競争入札という名称の場合もあります。
(7)公募型指名競争入札
一定の資格や条件など「公募」の要件を満たした企業のなかから選定し入札を行うのが公募型指名競争入札です。参加する企業は、参加表明書を提出し、審査を通過し、指名通知書を受けた企業のみが入札に参加できます。
まとめ
本記事では、入札参加のためのステップ、主な資格や入札形式、案件の効率的な探し方などを紹介しました。こうした基本を踏まえたうえで、ここまでの内容を押さえることができれば、すぐにでも入札に参加することができるでしょう。