(※写真はイメージです/PIXTA)

SNS利用者のうち、約20%が利用するTikTok。若者にとっては、いまやテレビよりも影響力が強いメディアといえます。TikTokを利用した広告が台頭するなかで、自社広告の再生回数を増やすにはどのような工夫が必要なのでしょうか。本記事では、TikTok広告の特徴から分析した「バズり」を生み出す法則について、フォロワー数24万人のTikTokerささきこうた氏が解説します。

いま「TikTok」が注目されるワケ

「TikTok」広告について解説する前に、TikTok以前のSNSや、さらにそれ以前のメディアである「テレビ」と「インターネット」について少し触れておきたい。

 

総務省が出している「令和4年度版 情報通信白書」によると、インターネットの利用時間が平日のテレビの視聴時間を2年連続で上回っており、年代別でみると、10~20代においては、テレビの視聴時間よりもインターネットの利用時間のほうが約3倍も多い結果となっている。

 

また、ICT総研が行っている「SNS利用動向に関する調査(2022年)」ではSNS利用者は8,720万人となっており、普及率は8割にもおよぶ結果になっている。今回のメインテーマである「TikTok」の利用率は19.7%を占めており、SNS利用者の5人に1人はTikTokを利用して情報収集を行っていることになる。

 

ちなみに、この調査で併せて行っているSNS利用者の満足度に関しては、ほかのSNS(YouTubeやInstagram、LINEなど)と比較して、TikTokが1番満足度が高い結果になっており(図表1参照)、利用時間の変化についても増加率が最も高い。日本人ユーザーにTikTokというプラットフォームが浸透してきている現れである。

 

出典:https://ictr.co.jp/report/20220517-2.html/
[図表1]主なSNSの利用者満足度 (※回答者(n=4406)のうち、各サービスを利用している満足度) 出典:https://ictr.co.jp/report/20220517-2.html/

 

上記のことをまとめると、世の中の流れとしてテレビからインターネットに可処分時間の使い方がシフトし、そのなかでもTikTokを利用する時間が増えてきているといえる。

SNS広告におけるTikTokの特徴

企業が広告やPRを行う場合、より多くの人が見ている場所でより高い効果を発揮しようとすることは至極当然である。ほかのSNS広告と比較して、TikTokを始めとするショート動画の広告がユーザーにどういう印象を与え、どういう効果があるのかを解説する。

 

ひとことにTikTokの広告といっても、広義的にはさまざまな種類が存在する。オフィシャルの広告オプションを使用したり(いわゆる広告配信)、自社アカウントを立ち上げて運用を外部に委託したり、クリエイター(インフルエンサー)を活用してPR投稿をしたり……。

 

それぞれにメリット・デメリットがあり、効果においても「認知」に強いものや「購買」に強いものまでさまざまだ。そのなかで筆者が注目しているのが、クリエイターを活用したPR投稿である。結論からいうと、TikTokをはじめとするショート動画を活用したPR投稿は現代のテレビCM的な役割を担っている。

 

ここでテレビCMの役割について説明したい。テレビCMで効果が最大限に発揮されるのは、いわゆるスーパーやコンビニ・ドラックストアの棚に置いてあるナショナルブランドであると筆者は考える。なぜなら、それらの商品は圧倒的な配荷率で、消費者が必ず商品を見かける状態を作ることで、比較検討を店頭で行わせている。

※ ナショナルブランド:ここでは全国的な販売を展開し、「多くの人が知っている」高い知名度を持つ商標と定義

 

したがってナショナルブランドの広告は商品やサービスの認知に振り切っており、LPや刈取り広告をする必要がない。テレビCMで認知に特化したクリエイティブを作成し、消費者にブランドイメージを伝えることが求められているのだ。

 

先ほど説明したとおり、若年層はテレビよりもインターネット、さらにいえばSNSに多くの可処分時間を使っている。そのなかでも、TikTokに流れるクリエイターを起用したPR動画は、圧倒的に認知に強いといわれている。

 

それには、広告視聴単価がほかのSNSと比べて低いことや、クリエイターを起用することでいわゆる“広告っぽさ”が薄まり、ブランドイメージが向上するという理由が挙げられる。昔、子どもや学生のころに抱いた「あのCMかっこいい」や「あのCMなんか好き」が、いまの若年層ではテレビではなくTikTok上にあるのだ。

 

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