(※写真はイメージです/PIXTA)

児井正臣氏の著書『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン』より一部を抜粋・再編集し、地震と東京一極集中について考えていきます。

不気味?100年近く発生していない東京での大地震

そして今日本で最も危惧されているのは、およそ100年から200年の間隔で、東南海沖地震と南海地震が連続してセットで発生する南海トラフによる海溝型地震である。

 

今後30年以内の発生確率は70%と言われている。こちらの直近のものは、前者が1944年12月に紀伊半島南東沖を震源として、2年後の46年12月に同じ紀伊半島の潮岬南西沖を震源に発生している。

 

前者は太平洋戦争末期で敵を利するということから報道が伏せられ、被害状況など不明な点が多いが、後者は紀伊半島や四国沿岸の集落に激しい津波が襲い、1443名の死者行方不明者を出している。

 

これ以前の南海トラフに関係する地震としては、安政江戸地震の1年前、1854年の安政東海地震とその翌日に発生した安政南海地震があった。ペリー来航で国内が大揺れのときだった。

 

さらに前述の元禄地震の4年後の1707年、東海及び南海地震が連続して発生した宝永地震があり、このときは49日後に富士山の噴火(宝永噴火)が起きている。東京からは少し離れたところで発生する地震ではあるが、それに誘発されて都心での地震や、富士山の噴火などが起きる可能性があるので油断はできない。

 

また一方我々の記憶に新しいのは2011年3月11日の東日本大震災と呼んでいる東北地方太平洋沖地震である。

 

日本国内では観測史上最大のM9.0という超巨大なもので、太平洋プレートと北アメリカプレートの境界域である日本海溝付近で発生した海溝型地震である。被害については大津波による直接被害のほか、我が国の原発の大半が今も再稼働できないという大変な影響を及ぼしている。

 

ここでの地震も1968年十勝沖地震、1896年明治三陸地震、1793年寛政地震、1611年慶長三陸地震、869年貞観地震などM8クラスの記録に残るものが100~200年の間隔で起きているほか、この間にM7以下のクラスのものが多発している。

 

このように発生のメカニズムは異なるが、大地震はいつ起きるかがわからないだけで必ずやって来る。東京の場合、1923年の関東大地震以降震度6以上の地震は100年近く発生していないのも不気味である。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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