4ドアなら税務職員から疑われにくい?
■車種やドアの数は関係ない
Q:家族で小さな会社を経営しています。社用車の購入を検討中ですが、経費にできるのはどれでしょうか?
①7人乗りスライドドアのワゴン車
②5人乗り4ドアの外車
③2人乗り2ドアのスポーツカー
④1人乗りのバイク
答え:すべて「経費の判定に車種やドア数は関係ありません。」
「4ドアのベンツで節税」という言葉が世の中に出回っているので、「2ドアではダメなの?」「ファミリーカーは認められない?」といった疑問が浮かぶ人もいるでしょう。
でも、4ドアのベンツでなければならないといったルールはまったくありません。
業務で使う車であれば、車種やドアの数は一切関係なく、ファミリーカーでも問題ありません。スポーツカーやバイクであっても大丈夫です。
ただ、4ドアのベンツは、比較的税務職員から疑いの目を向けられにくいと考えられます。
税務調査では、「プライベート目的の支払いがないか」という点にとくに着目します。そのため、申告書に記載されている固定資産の一覧にファミリーカーなどがあると、疑問をもたれるかもしれません。
とはいえ、疑問をもたれたからといって経費が否認されるわけではないので、安心してください。
きちんと「これは事業用の車です」と理由をつけて説明できれば、経費になります。
たとえばファミリーカーを経費にする場合、「大きな荷物を運ぶことがあるので、収納性の高い車を選んだ」「多くの社員を乗せて移動する必要があるから3列シートの車にした」というのであれば、何も問題ないのです。
ベンツが節税商品として人気なのは、リセールバリューが高いことも理由のひとつです。
将来的に車を売るときは、できるだけ高く売れたほうがいいですよね? 高く売れれば、急な資金繰りの悪化の際に、社用車を売ってピンチをしのぐこともできます。
社用車としてよく使われるセダンの市場を見ると、長年にわたりベンツが輸入車登録数のトップに位置しています。ベンツを買うことは、節税のみならず、資産運用の意味からも合理的なのです。
小林 義崇
マネーライター