節税効果が半端じゃない…賢い経営者がこぞって活用する「役員社宅」の実態【税理士が解説】

節税効果が半端じゃない…賢い経営者がこぞって活用する「役員社宅」の実態【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

企業が借り上げた物件を従業員に安く貸し出す「社宅制度」。この社宅のなかでも、特に役員が利用するものを「役員社宅」といい、節税対策を模索する経営者にとって「使わない手はない」と、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏はいいます。強烈な節税効果を発揮する「役員社宅制度」のしくみとそのメリットについて、詳しくみていきましょう。

役員も企業もWin-Win…役員社宅の「3つのメリット」

――では、役員社宅にはどんなメリットがあるのでしょうか?

 

黒瀧氏(以下、黒)「役員社宅には、

 

・会社負担分が全額損金扱いになる
・社長(役員)の手取りが増える
・社会保険料の負担が減る

 

という3つのメリットがあります。それぞれ詳しくみていきましょう」

 

1.会社負担分が全額損金扱い

黒「まず、会社が大家さんに支払う家賃と、役員から徴収する『家賃相当額』の差額、つまり会社の負担分をすべて会社の損金とすることができます」

 

――家賃のうち、どれくらいを経費にできるのでしょうか。

 

黒「もともとの家賃の少なくとも50%は損金にできるとお考え下さい」

 

――50%ということは、仮に家賃が30万円だったとすると、15万円は損金算入できるということですね。

 

黒「また、家賃以外にも、契約時の仲介手数料・引越し費用などの初期費用についても、あらかじめ社内規程で定めておけば経費に計上することができます」

 

2.社長(役員)の手取りが増える

黒「また、役員社宅制度を導入することで、役員が個人で負担する税金などの負担を減らし、実質的な手取りを増やすことが可能です。イメージをお伝えするために、例をあげて説明していきます。

 

[図表]役員社宅制度のしくみ
[図表]役員社宅制度のしくみ

 

たとえば、役員報酬として毎年、月100万円貰っている役員がいるとします。家賃月30万円を自分で払い、個人として自由に使えるお金は、100万円から家賃30万円、さらに報酬に係る所得税・住民税・社会保険料を引いた残りの額(図中の青い部分)です。

 

では、役員社宅制度を導入すると、どうなるでしょうか。家賃30万円の半分、15万円を会社が負担するものとします。この場合、役員が負担する家賃相当額15万円は、報酬から天引きされます。

 

このとき、会社が負担している家賃分を含めた、役員への実質的な報酬額は月100万円で変わっていません。しかし、会社が負担する家賃分15万円を役員報酬月額100万円から差し引くことで、役員報酬を月額85万円に減らすことができます。

 

役員報酬を減額したことにより、役員個人にかかる税金の負担も減ります。結果として、自由に使えるお金は増えることになります」

 

――なるほど。一見、報酬が15万円減って損をしたように感じますが、実際は自由に使えるお金が増えているんですね。

 

3.社会保険料の負担が減る

――メリットの3つ目、「社会保険料の負担が減る」というのはどうしてでしょうか。

 

黒「社会保険料は『標準月額報酬』から算出します。給与や報酬を低く抑えると、社会保険料も安くなる仕組みです。先述のように、会社負担の家賃分を役員報酬から引き下げることができるため、社会保険料額も下がります。

 

社会保険料は会社と折半なので、会社・役員双方に社会保険料の負担が減るというメリットがあります」

 

――なるほど。経営者にとっても、すごくありがたい制度なのですね。

 

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黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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