長期になればなるほど力を発揮する「複利」
ではこの1億円をどうやって作っていくのでしょうか。実は大きなお金を作る方法は、昔からたった一つしかありません。それは「複利」です。
かの天才物理学者アインシュタインが、「人類最大の発明」「宇宙で最も偉大な力」と呼んだ方法が複利です。人類最大の発明ですから、相対性理論を超える発明だということになりますね。
複利とは、元本だけに利子がつくのではなく利子にも利子がつく仕組みのことです。元本にだけ利子がつくことは「単利」といいます。
例えば100万円に対して月利1%の利子がつく金融商品があった場合、単利でも複利でも1ヵ月後の金額は101万円で同じになります。しかし2ヵ月目以降、複利と単利に差が出てきます。複利の方は利子の1万円に対しても1%の利子がつくので、2ヵ月目は単利102万円に対して複利は102万100円になります。100円の差がついていますね。
「なーんだ、それっぽっちの話か」と思われたかもしれませんが、複利は長期になればなるほど爆発的に威力を発します。120ヵ月後には、単利の場合100万+120万=220万ですが、複利は333万円になります。
240ヵ月後には、単利の場合は100万+240万=340万ですが、複利だとなんと、1100万円になります。360ヵ月後には、単利の場合は100万+360万=460万で、複利は3600万円になるのです。460万円と3600万円……同じ元本で同じ利子なのに、長期で見るとここまで結果に差が出てきます。これこそが、アインシュタインをして世界最大の発明といわしめた「複利」の威力なのです。
人間の寿命はどんどん伸びていますから、今からあと10年20年30年生きていくと考えたとき、何もしないでいれば資産は0ですが、複利の力をうまく使っていけば、年金をあてにせずとも悠々自適に暮らせるだけの資産を作り上げることが可能になります。複利の考え方を取り入れて、できるだけ早く、できるだけ多くの種銭を用意すること。やるべきことは実にシンプルですね。
勘のいい方なら、前述した20代男性が1000万円貯めた仕組みをもうここでおわかりになったかもしれませんね。でもそれだけではありませんよ。複利でダイレクトにお金を殖やす方法だけではなく、さまざまな面に活用できる「複利思考」も学ぶ必要があります。
高嶋 美里
遊雅セレブリティ株式会社 代表取締役