超管理社会への移行ははじまっている
グレートリセットまたはグローバル金融リセット、そのいずれが行われたとしても、前述のような超管理社会が到来します。誰がどこでどんな会話をしたのか、どこでいくら使ったのか、何を食べたのかまで、すべての情報が中央に集まります。今もその実験は行われていて、Amazonはアレクサで情報収集していますし、AppleはSiriですべての会話を収集し、分析テストをしているといわれています。
まさかそんなことはないだろうと思いましたか? では私の体験を聞いてください。数年前の話です。友人と「靴を買いすぎて収納が足りない」という会話をした1時間後、Facebook広告にシューズ棚が出てきました。シューズ棚なんてそうそう出てくるようなメジャーなものではないので、そこで私は「あれ?」と気づいたわけです。
検索したワードに合わせて個別広告が出てくる「ターゲット広告」は以前からありましたが、検索しているわけではない、ただちょっと会話に出てきただけのシューズ棚がターゲット広告に反応した——これは、会話を収集しているということに他なりません。
このようなことは一度だけでなく、ここ数年で何度もありました。超管理社会への移行準備は、着々とはじまっているのです。以前私の生徒さんの中に、脳内を読み取る機械を仕込まれているから取り除きたいといっている人がいて、周囲から完全におかしくなってしまった人扱いされていましたが、あながちすべてが妄想と言い切れないかもしれません。
私たちは知らず知らずのうちに、大きな権力の中で、為政者の思い通りに動かされています。個人の力でそれをどうこうすることはできませんが、その中で、できるだけ自分や家族とその資産を守って、豊かに幸せに暮らしていけるように努力するしかありません。
超管理社会で何が起こるか?
超管理社会が到来するとどうなるのかというと、まずは、一切のへそくりができなくなると思ってください。すべてデータ化し一元管理されているので、ちょっとしたズルもできなくなります。ここだけ聞くと「それはすごくいいことなのでは?」と思えるかもしれませんが、よりよい社会のためにそのシステムを導入するわけではないので、勘違いしないようにしてください。
誰がいくら持っている、誰のところにお金が余っている…などの情報が一瞬でわかるということは、いくらでも法律や仕組みを変えて、どこからでもお金を徴収できるということなのです。
私も昔は、警察も弁護士も医者も、とにかくみんな正義だと思っていました。でも、80ヵ国以上の国を行ったり来たりしてさまざまな立場の人と出会い、平均的な方々よりちょっとだけたくさんの経験をしてきてわかったことは、世の中で起きていることのほとんどは、仕掛けられたものであり、どんな職種の人であれ、突き詰めてしまえば、単に給料をもらうために与えられた仕事をこなすサラリーマンでしかなく、子供の頃に見た正義の味方みたいな存在はないのだということです。
ドラマに出てくるような熱血教師も、心から被害者の立場に立って人生をかけて犯人を追う刑事も、不正を暴く弁護士も、すべてはドラマの中の架空の人物です。残念ながら現実にそういう人はいないのです。
詐欺にあっても警察も弁護士も助けてくれません。着手金だけもらって、あとは定型文を送るだけです。具合が悪くて病院に行っても、親身になって原因を探してくれる医者がいるわけではありません。どんなに苦しんでいる人がいても、時間になれば夜勤の担当に交代して家に帰っていきます。彼らも生活のために給料をもらって働いているので、それは当たり前のことです。仕事外のプライベートの時間をあなたのために費やすようなことはありません。
もちろん個人差はありますが、誰でも自分が一番かわいいし、無償奉仕なんかしたくありません。何がいいたいかというと、あなたと家族のために他人は何もしてくれないのだということです。自分の身は自分で守るしかありません。
超管理社会は、あなたが困っていることをシステムで割り出して痒いところに手が届くようなきめ細かさでさっと手を差し伸べてくれる便利な社会だなんて思ったら大間違いです。いい方は悪いですが、彼らは搾取するために管理しているのだということを念頭に置いておくことをおすすめします。
とはいえ、文句をいってもはじまりません。「もう世の中そういうものだ」と諦めたうえで、その中にいてもなんとか自分と家族の身を守れないだろうかと頭を使った人だけに、助かる道が残されているのです。
もしかしたら今後、どんなに頭を捻っても助からない社会になってしまうかもしれませんが、今ならばまだ、超管理社会の抜け穴を上手に掻い潜っていけば、なんとかなるかもしれませんよ、というのが本連載のお話の裏のストーリーです。資産を殖やせるうちに殖やして守っていかねばならない理由が、おわかりになりましたか?
高嶋 美里
遊雅セレブリティ株式会社 代表取締役