(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営において「空室」はもっとも大きな悩みのひとつといえます。すぐに入居が決まる物件もある中、空室だらけになる原因は何かと考える方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、空室だらけになる4つの原因と対策を紹介します。アパート経営で失敗したくない方はぜひ参考にしてください。

 

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アパート経営で空室だらけになる4つの原因と対策

アパート経営で空室だらけになる原因には、主に以下の4つがあります。

 

1. 営業や集客活動に力を入れていない

2. 家賃設定が相場と合っていない

3. 他の物件と差別化ができていない

4. 物件管理が適切にされていない

 

それぞれの対策とあわせて、ひとつずつ解説していきます。

①営業や集客活動に力を入れていない

営業や集客に力を入れていないことは、アパートが空室になる原因のひとつです。

 

ここでいう営業には、一般顧客に向けたアパートの宣伝だけでなく、不動産会社に対して物件の魅力を伝えるといった行為も含まれます。

 

たとえば仲介会社が顧客へ積極的に物件を紹介するか否かは、空室率に大きく影響するでしょう。また、物件が認知されていなければ申し込みが入ることはないため、アパートを探している人の目に触れるような告知は欠かせません。

 

広告宣伝が不十分な場合や、不動産仲介会社と良い関係を築けていないケースは、営業不足といえるでしょう。対策としては、次のような内容が挙げられます。

 

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<営業・集客活動に関する対策>

●公式サイトや不動産ポータルサイトに掲載する

●広告に使う写真を厳選する

●仲介会社との媒介契約を見直す

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物件を探している人はスマホで検索することも多いため、チラシやフリーペーパーなどのアナログ媒体だけでなく、インターネットを活かした集客活動は必須となります。

 

また、必要に応じて仲介会社との契約を見直すことも有効です。契約には一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があり、仲介会社に義務付けられる活動内容が異なります。

 

専任媒介では、販売活動について定期的な報告が義務付けられるため、一般媒介よりも力を入れて営業してもらえる可能性があります。

②家賃設定が相場と合っていない

家賃は物件を選ぶ際の大きなポイントです。建物のグレードやエリアなどの条件がほぼ同じ場合、より家賃が低い物件を選ぶ人が多いでしょう。

 

そのため、周辺の相場よりも高い家賃設定や、アパートの築年数や劣化状況と合わない賃料であれば空室が生じやすくなります。

 

この場合は、以下の点を意識して家賃の見直しをするとよいでしょう。

 

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<家賃設定に関する対策>

●周辺の競合物件の家賃を確認する

●築年数や設備のグレードに合わせる

●仲介会社にアドバイスを求める

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物件状況に適した賃料にするには、立地条件や利便性のほか、築年数や設備のグレード、劣化状況などをチェックします。相場が分からない場合は、仲介会社に相談するのも有効です。

 

ただし、家賃収入が減るとキャッシュフローが悪化するため、賃料の引き下げは慎重に検討する必要があります。その点においても、詳しい仲介業者にアドバイスを求めるのが賢明といえるでしょう。

③他の物件と差別化ができていない

他の物件と差別化ができていないことも、アパートが空室だらけになる原因のひとつです。たとえば物件の新しさを強みとしている場合、近隣に新築アパートが建つと選ばれにくくなってしまいます。

 

また、設備やセキュリティ面が充実していない物件も、差別化がしにくいでしょう。防犯対策が十分でないアパートは女性やファミリー層が入居しづらく、空室の増加に繋がる場合もあります。

 

対策としては、以下のような方法が考えられます。

 

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<物件の差別化に関する対策>

●経営しているアパートの強み・弱みを把握する

●適切なリフォームを行う

●オートロックや防犯カメラなどを設置する

●周辺環境の魅力をアピールする

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所有物件の弱みを改善し、強みをより活かすためには、それぞれのポイントを把握することが重要です。

 

強み・弱みを把握する際は、近隣物件の空き状況と比較してみるとよいでしょう。他の物件よりも自身のアパートに空室が多い場合は、原因が立地条件ではなく物件の競争力にあると考えられます。

 

たとえば、建物の状況や設備・セキュリティ面で劣っている場合は、リフォームを検討するのも選択肢のひとつです。また、物件の魅力だけでなく、周辺施設や住環境などのメリットをアピールするといった方法もあります。

④物件管理が適切にされていない

物件管理が適切にされていないことも、アパートの空室を生む原因のひとつです。例としては清掃が不十分なケースや、建物の修繕が行われていない場合などが挙げられます。

 

共用スペースや室内が清潔に保たれていないと、内覧時の印象がよくありません。長期間空室になることによる排水溝からの異臭なども、マイナスイメージの要因です。

 

さらに、建物が劣化していると見た目の印象が悪いだけでなく、故障や破損などのトラブルに発展することも考えられます。不適切な物件管理は、既存の入居者の満足度も下げるため、退去に繋がる可能性もあるでしょう。

 

物件管理に関する対策は以下の通りです。

 

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<物件管理に関する対策>

●共用部分や室内を定期的に清掃する

●管理会社へ管理を委託する

●管理会社の見直しをする

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共用部分においては清掃の他、空室の郵便受けのチェックや照明などの消耗品の交換もしましょう。室内はほこりや砂、虫などが落ちていることのないようにマメに清掃を行います。

 

自分で実施することが難しい場合は、管理会社へ委託するのもひとつの手段です。また、すでに委託しているにも関わらず、適切に管理されていない場合は、管理会社の変更も視野に入れましょう。

まとめ

アパート経営で空室だらけになる原因には、営業活動が不十分である点や物件の差別化ができていない点が挙げられます。また、相場と合わない家賃設定や不適切な物件管理なども原因のひとつです。

 

しかし、いずれの場合も適切な対処をすることによって、空室率の改善は見込めます。空室が生じた場合には、原因の分析とともに本記事で紹介した対策を講じ、健全なアパート経営を行いましょう。

 

 

執筆:悠木 まちゃ

ライター・編集者

宅建士・FP3級の資格保有。国立校の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務し、営業・設計職を担当。新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの設計などを手掛ける。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動。実務経験を活かし、不動産・金融系の分野を中心に記事執筆から編集まで行う。多数の企業メディアで編集を担当するほか、ライター向けオンラインサロンの添削講師としても活動している。

 

 

監修:中村 昌弘

Webライター・編集者

株式会社なかむら編集室 代表取締役

1985年生まれ埼玉県出身。立教大学を卒業後、マンションディベロッパーへ入社。その後は人事コンサル系の会社へ転職し、2016年2月に独立。独立と同時にWebライターをはじめる。SEOライティング × セールスライティング × 書籍編集 × サロン(Webライターラボ)運営など、幅広く活動中。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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