(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資で失敗しないためには、購入前に出口戦略を考えておくことも重要です。ご自身が所有する投資用物件を手放す際、損失を抑えてできる限り高く買ってもらうには、どうすればよいのでしょうか? 本記事では、投資用物件を売ってはいけないタイミングと、売却時にやってはいけないことについて解説します。

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投資用物件を売却してはいけない3つのタイミング

投資用物件を高く売却するためには、「売りどき」を見極めることが非常に重要です。ここでは、売却してはいけないタイミングを3つ紹介します。

 

①「価格相場が下がっているとき」に売却してはいけない

不動産の価格は市況によって大きく変動するため、売却して利益を得るには、価値が高いときに売ることが最も重要です。

 

たとえば、一般財団法人日本不動産研究所の調査*によると、東京23区の新築マンションの価格相場は2020年時点で107.1万円/m2です。一方で2016年は93.4万円/m2であり、40m2の物件であれば548万円の価格差が生まれます。

 

*日本不動産研究所『東京23区のマンション価格と賃料の中期予測/2020年下期』(https://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/1c7160248feff58d4cbdf70f97cbe4ab.pdf)

 

価格相場については、不動産会社に査定を依頼したり、路線価を参考にしたりすることで確認できます。投資用物件を高く売りたいと考えている方は、相場が下がっているときに売却しないようにしましょう。

 

②「金利が高いとき」に売却してはいけない

金利が高いときは不動産投資の利回りが下がりやすく、価格相場が下落する傾向にあるため、売るタイミングとしてはおすすめできません。

 

物件購入者がローンを利用する場合、金利が高いと利息や返済額が増えるため、利回りが下がります。投資目的で不動産を購入する人にとってはマイナス要素となるため、物件価格にも影響し、結果として金利が高いときは不動産相場が下落しやすくなります。

 

日本では2013年の金融緩和以降は低金利が続いているため、投資用物件の売却を考えている方は金利が高くなる前に行動しましょう。

 

③「引っ越しシーズンを外した時期」に売却してはいけない

1年の中でも不動産を高く売りやすい時期は、1〜3月の引っ越しシーズンです。物件購入の需要が最も高まる時期なので、相場より高い金額でも買い手がつくことがあります。反対に引っ越しシーズンを外すと、なかなか売れずにやむを得ず価格を下げる状況になりやすいでしょう。

 

売却を考えている方は、1月からの引っ越しシーズンに間に合うよう準備を進めるのが得策です。

投資用物件を売却するときにやってはいけないこと5選

投資用物件を売却する際、依頼する不動産会社や売却の仕方によっては、知らずに損をしてしまう可能性があります。ここでは、投資用物件の売却活動において「やってはいけないこと」を紹介します。

 

①「複数の不動産会社に査定を依頼しない」のはNG

投資用不動産を売却するときは、1社からの査定のみで価格を決めてはいけません。

 

不動産会社には「早く売買契約を成立させて売上を確定したい」という意向があるため、相場より低い価格を提示されるケースがあります。適正な売り出し価格を見極めるためには、複数の不動産会社に査定してもらいましょう。

 

不動産を高く売却するには、売り出し価格が非常に重要です。

 

②「投資用物件の売却実績が少ない不動産会社に依頼する」のはNG

一口に不動産会社と言っても得意分野は各社で異なるため、知名度だけで選ぶのではなく、投資用物件の売却に強みがある会社へ依頼しましょう。

 

投資用物件の実績が乏しい不動産会社に売却を依頼すると「売り出し価格が適正でない」「営業力が乏しい」などの問題が発生するリスクがあります。

 

売り出している物件の傾向を公式サイトで確認したり、担当者に直接聞いてみたりするのがおすすめです。

 

③「売却活動を不動産会社任せにする」のはNG

不動産会社によっては、売主の希望を考慮せずに売却活動を進めてしまうケースがあるため、すべてを任せきりにするのは避けましょう。

 

販売価格を下げる提案を受けたときなどは、ご自身が納得するまで理由を聞いてから判断することが重要です。また、購入希望者から値引き交渉をされることもあります。

 

交渉に応じなければ「売りどき」を逃すリスクがありますが、言われるがままに受け入れるのではなく、アドバイスを聞きながら自分自身で決断しましょう。

 

④「近隣エリアの売却相場を調べない」のはNG

不動産会社の査定価格が必ずしも適正とは限らないため、売却予定物件の近隣相場は必ず調べましょう。

 

価格相場を知っておくことによって、相場よりも安く売ってしまうリスクを減らせます。SUUMO(スーモ)やアットホームなどの不動産ポータルサイトで、近隣相場を確認できます。

 

⑤「備品交換やクリーニングの費用を渋る」のはNG

投資用物件を高く売却するには、内覧時の印象も少なからず影響します。多額の費用をかけてリフォームする必要はありませんが、切れている電球の交換などは済ませておきましょう。

 

また部屋の汚れが目立つ場合は、専門業者にクリーニングしてもらったほうが高く売れる可能性があります。少しの出費を抑えたことにより、売却価格が下がってしまっては逆効果です。

 

購入希望者に良い印象を持ってもらえるよう、備品交換やクリーニングにはお金をかけるようにしましょう。

まとめ

投資用不動産を高く売却するには「売り出し」のタイミングが非常に重要です。さらに、自分で価格相場を調べたり、室内の環境を整えたりすることで、納得の行く価格で売却できる可能性が高まります。

 

また、投資用物件の売却活動には時間がかかるので、「いつ売却するか」を定期的にシミュレーションしておくことが重要です。早めに不動産会社の担当者に相談を始めて、しっかりとご自身の意向を伝えるようにしましょう。

 

 

執筆:西山 雄介

Webライター・ディレクター

大学卒業後、マンションディベロッパーに勤務し営業職を担当。現在は企業でのマネジメント経験を活かして、フリーランスディレクターとして活動中。豊富な社会人経験が強みであり、特にコンプライアンスを重視する企業メディアで高い評価を得ている。得意分野は不動産・法律・シニア向け記事など。

宅地建物取引士・マンション管理士・日商簿記2級などの資格保有。

 

 

監修:中村 昌弘

Webライター・編集者

株式会社なかむら編集室 代表取締役

1985年生まれ埼玉県出身。立教大学を卒業後、マンションディベロッパーへ入社。その後は人事コンサル系の会社へ転職し、2016年2月に独立。独立と同時にWebライターをはじめる。SEOライティング × セールスライティング × 書籍編集 × サロン(Webライターラボ)運営など、幅広く活動中。

 

 

監修:悠木 まちゃ

ライター・編集者

宅建士・FP3級の資格保有。国立校の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務し、営業・設計職を担当。新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの設計などを手掛ける。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動。実務経験を活かし、不動産・金融系の分野を中心に記事執筆から編集まで行う。多数の企業メディアで編集を担当するほか、ライター向けオンラインサロンの添削講師としても活動している。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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