「これだから女は‼️」26歳年下妻に、3時間超えの壮絶なモラハラ。「ごめんなさい…。私がちゃんとしていれば…」離婚調停で迎えた“衝撃の結末”【弁護士が解説】

「これだから女は‼️」26歳年下妻に、3時間超えの壮絶なモラハラ。「ごめんなさい…。私がちゃんとしていれば…」離婚調停で迎えた“衝撃の結末”【弁護士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「こんな娘を嫁に出した責任を取れ!」→妻「お父さんは体が悪いんだからやめて…」「うるさい‼︎ バカ! クズ!」──このような酷いモラハラ夫が、本当に現代にも存在するのでしょうか。コロナ禍によるオンラインワークなどにより、夫と家にいる機会が増えたことで、離婚の件数は増加傾向にあります。そんな中増えているのが「モラハラ夫」。「モラハラで離婚はできない」なんて言われることもありますが、しっかりと準備をすれば離婚をすることはできます。実例を交え、離婚問題に詳しい弁護士の堀井亜生氏が著書『モラハラ夫と食洗機』(小学館)で解説します。

調停が始まると夫の“意外な姿”が明らかに

私は、A子さんの相談を受けて、協議離婚は難しいと考えました。

 

なぜなら論破するタイプは、およそ話し合いができる相手ではないからです。そのため調停での離婚を目指して準備を進めていきましたが、A子さんは「夫はとても頭がいいから先生も言い負かされてしまうかも」と何度も不安を口にしていました。

 

 

実際、子どもを連れて夫と別居を始めたA子さんが離婚調停を申し立てると、夫から長文の手紙が届きました。「無知な妻を指導しただけです。私の言っていることは科学的に正しいのです」といった弁明がつらつら書かれていましたが、夫からの連絡はそれだけでした。

 

調停が始まると、夫の意外な姿が明らかになりました。夫は費用を惜しんでか弁護士を立てず一人で調停にやってきたのですが、調停委員とまともに話せないのです。「婚姻は破綻していないので……」「夫婦には同居義務が……」とぼそぼそ話します。ネットで調べた用語を口にしているだけで、自分の意見すらまともに話せません。

 

A子さんが録音していた暴言の音声が証拠として提出されると、調停委員にこれではやり直すのは難しいと説得されて、反論することもなくそのまま折れてしまいました。

 

論破系の唯一の救いは、理性的だという点です。こうなると夫は、弁護士に依頼するコストや離婚まで妻に支払う生活費を考えて、すぐに離婚に応じました。

言葉で屈服させようとする背景には“歪んだコンプレックス”が

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

実は夫がA子さんに説教をしていた内容は、ネットの知識の受け売りばかりでした。ネットで得た浅い知識をもとに、自分より年下でおとなしい妻に出口の見えない説教をくり返す。それが論破系夫の本当の姿なのです。

 

多くの場合、その裏にあるのは学歴コンプレックスです。A子さんも、「夫は大学院出身を自慢していたけれど、高校や大学名は頑なに隠していた」と話していました。

 

挫折の経験があり、自分に自信が持てない。そんな人が家庭を持つと、自分の「賢さ」を強調して身近な人を言葉で屈服させようとしてしまうのでしょう。そしてこのタイプの夫は、職場にも学生時代にも友だちが一人もいないのが大きな特徴です。

 

人との会話に不慣れで、そのため自分の気持ちを伝える手段が支離滅裂な「論破」以外になかったのかもしれません。

 

とはいえ、論破系夫が強く出られるのは、狭い関係性にある身近な弱い相手だけ。家の外ではおとなしい人と思われていることがほとんどです。A子さんが苦しかったのは、夫の話に耳を傾けようとしていたから。

 

一歩外に出て第三者を交えれば、このタイプは途端におとなしくなります。こういった二面性には、交際中は気づきにくいものです。最初の判断のチャンスは結婚式。式に呼ぶ友だちがいないと言い始めたら……モラハラ黄色信号かも!?

 

〈まとめ〉
夫の声にばかり耳を傾けず、勇気を出して“外の人”を巻き込んでみる

※本連載は、堀井亜生氏の著書『モラハラ夫と食洗機』(小学館)より一部を抜粋し、再編集したものです。

モラハラ夫と食洗機

モラハラ夫と食洗機

堀井 亜生

小学館

2000件を超える離婚・恋愛トラブルを扱ってきた弁護士、堀井 亜生氏が、実際に見聞きしたモラハラの実態を紹介し、それらを分析して、「正しい別れ方」と、別れた後に「過去に決着をつける方法」を解説します。 家族のあり方…

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