政策金利は11.0%に
■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は2月9日に金融政策決定会合を開き、政策金利を10.5%から11.0%に引き上げました。
■これまで中銀は米連邦準備制度理事会(FRB)に追随して利上げを続けるとともに、利上げ幅を調整してきました。しかし、今回はFRBが引き締めペースを0.25%に減速させたにもかかわらず、0.5%の利上げペースを維持しました。
背景にインフレの高止まり
■メキシコの今年1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+7.91%となり、前月の+7.82%から小幅ながら上昇しました。インフレ高止まりの主因は同指標の約4分の3を占める、食品やエネルギーを除いたコアCPIの高止まりで、同+8.45%と前月の+8.35%から同じく小幅上昇しました。
■メキシコのCPIは昨年9月をピークに減速していますが、米国や他の中南米諸国との比較で高止まりしています。今回の中銀の政策決定は、こうしたインフレの粘着性への警戒感の表れといえそうです。
今後の展開:米国とのインフレや金融政策の乖離からペソは強含みへ
■米国での早期の利上げ終了を見越して、米ドルは対主要通貨で軟調な展開となっています。このためメキシコペソも、対ドルで堅調な推移が続いてきました。加えて、今回のように、インフレの高止まりを受けた米国を上回るペースでの金融引き締めが続いた場合、金利上昇を好感したペソへの資金流入が続く可能性があります。弊社ではこれまで、1米ドル=20ペソを中心とした推移を予想していましたが、今後は新型コロナ流行前の19ペソを中心としたレンジに戻るとともに、ペソ強含みの展開となるものと予想しています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ中銀は0.5%の利上げを継続…インフレ高止まりを警戒、米FRBと対応分かれる【マーケットのプロが解説】』を参照)。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社