SNS上の動画広告が消費行動に繋がることが当たり前の時代。なかでもYouTube ShortsやTikTokなどで動画のあいだに流れる「ショート動画広告」は、若年層を中心に大きな影響力があるそうです。そんな盛り上がりを見せている市場状況をみていきます。

ショート動画の広告が「テレビCM」の役割を果たす

なぜここまでYouTubeやTikTokが本気になって、ユーザーの可処分時間の奪い合いをしているのだろうか。これは、プラットフォームとしてのマネタイズの仕組みが関係している。

 

YouTube ShortsもTikTokも、動画のあいだに流れる広告費で収益を得ている。そのため、ユーザーにアプリ内で1秒でも長く滞在してもらい、広告主により多くの広告出稿をしてもらおうとすることは自然な流れだ。

 

また、ショート動画市場における広告がこれまでのSNS広告の仕組みを一新していることも、両者がここまで本気になっている理由の1つだ。

 

ここで、YouTubeとYouTube Shortsで流れてくるそれぞれの広告の違いについて説明したい。「YouTube」の通常動画で流れる広告は、基本的に一定時間視聴しないとスキップできない仕様になっている。一方で「YouTube Shorts」で流れる広告は、興味がなければすぐにスキップできる。また、流れる広告自体も1分以内のショート動画である。

 

すなわち、商品やサービスの訴求を入れつつも、広告自体が面白くて興味のある内容である必要があり、これはTikTokにおいても同じことがいえる。これまでユーザーにとって億劫でしかなかった広告がいま、より面白くて興味のあるものへ変わりつつあるのだ。

 

現にTikTokの広告ではほかと比べて視聴時間が長かったり、クリック率などがいい広告をAIが判断し、より優先的に配信するような設計になっており、いい広告であればあるほどユーザーに見られるような仕組みになっている。

 

広告主にあたる企業やそれを手助けする広告代理店はいま、どんな広告がいいか現在進行形でトライ&エラーを繰り返している。そしてすでにいくつかの勝ちパターンも見つかっており、実際にショート動画広告を起点に売れた商品やサービスが次々と誕生している。新しいトレンドやムーブメントの発起点になっているケースが増えているのだ。

 

趣味嗜好や生活様式が多様化した現代において、ショート動画の広告はあなたの興味を突き刺すいわば、テレビCM的な役割を担っている。

 

 

ささき こうた

株式会社TORIHADA

プランナー

 

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