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3パターンの事業成長ルート
次に頭の中の画面を切り替えて、新しいチャートを出す。
チャートの右上から太い線が三本出ている。「ルート1」「ルート2」「ルート3」と書いてある。
プロダクト・ライフサイクルの誕生期Aの位置は、このチャートの上では右上のAに当たる。つまり新しい事業はすべてここからスタートする。
ルート1 「栄光」のルート
競合を抑え、素晴らしい勝ち戦を続けていく会社はルート1をたどる。
「栄光」のルートだ。AからBへ進み、やがてその事業の成長率がピークを過ぎて落ち始めると、ルート1の線上をCへ向かう。世にいうエクセレント・カンパニーへの道だ。
ルート2 「混戦・不安定」ルート
ルート2は「混戦・不安定」ルートだ。このルートをたどる企業は、いつも他社の後追いで、方針もフラフラする。それでも、何とかルート2に沿って行ければ、将来、市場が成熟期になった時には、業界の3番手から5番手ぐらいには落ち着く。
そこに至るまでに競争の淘汰が激しくて、生き残る企業が3社ぐらいしかないという業界なら、ルート2からはじき出されて、ルート3に押しやられるかもしれない。
ルート3 「ドンジリ」ルート
ルート3は、全く冴えない「ドンジリ」ルートである。この会社はどうみても負け犬、おそらくは最後の成熟段階に行き着く前に、振り落とされることになる。最初のライフサイクルのチャートに、この会社の売上高のグラフを書き込むと、業界が成長期に入ってもこの会社のグラフは大して上向きにならず、水平軸に沿って横に線が延びていく。
初めは勢いのよく見えるベンチャーだが、やがて競合に敗れ去っていくというパターンを描くと、AからBに向かうあたりでは、明らかにルート1に乗っている。しかし途中からはずれて、B段階ではルート2の方向に落ち、Cに至る頃には、さらに右にずれてルート3に入ってしまう。チャートの上では迷走台風みたいに見える。
ルート2から3にかけてのどこかには、「生き残りに必要な最低限の成長率」に対応したサバイバル・ラインがある。それより右にはみ出すと、撤退か倒産が待ち構えていることになる。
あなたが経営に取り組む会社は、果たしてどのルートをたどっているのだろうか。その事業の売上高の伸び、競争相手の様子、そんな情報を組み合わせて「仮説」を立ててみる。
三枝 匡
株式会社ミスミグループ本社 名誉会長・第二期創業者
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