(※写真はイメージです/PIXTA)

原油や天然ガスなどの原材料価格の止まらぬ高騰…。20代前半の社会人の月収は20万円前後が多い中、「どう生きていけばいいのか」という声が聞こえてきます。一方で、各企業の本音はどのようなものなのでしょうか。本連載では、これまでに700社を超える中小製造業の経営改善を支援してきた大場正樹氏が、中小製造業の立場から「インフレ時代に生き残るための値上げ」について、交渉に勝つ価格設定や、実際の交渉テクニックなど具体的な戦略をわかりやすく解説します。

マクドナルド・ハンバーガーの価格破壊

もう一つ具体例を挙げます。マクドナルドのハンバーガーは、1971年の日本上陸時には80円で、14年後の1985年には210円まで値上がりしました(参考:『朝日新聞』2003年1月9日付朝刊)。その後はやはりデフレで値下がりして、2002年には62円という価格破壊まで行いましたが、2005年からは100円で安定し、最近では2019年に110円、2022年に130円とじわじわと値上げしています。

 

かつて池田勇人首相が「10年間で月給を2倍にする」と「所得倍増計画」をぶち上げたのは1960年のことでしたが、当初は夢物語と思われたその計画も、10年後には目標以上の成果を上げたのです。

所得が倍の未来はやってくるのか?

インフレに慣れていない現代の人には、所得が倍になるなんて信じられないかもしれませんが、実質はともかく名目上の所得倍増は、賃金を含めてモノの値段がどんどん上がっていけば、わりと容易に達成できるのではないかと思います。

 

例えば今月給料が20万円の若い人がいて、なんとか楽しく生活しているとします。しかしハンバーガーが1個1000円、生ビールが1杯1000円という価格になったとしたら、はたして月給20万円で暮らしていけるかというと、おそらく無理です。そうなったらやはり月給40万円くらいは必要でしょう。

 

つまり経営者であるあなたは、若い人にも月給40万円を支払えるくらいに会社を成長させなければならないのです。

※本連載は、2022年9月27日発売の書籍『インフレ時代を生き残る 下請け製造業のための劇的価格交渉術』から抜粋したものです。その後の制度改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

インフレ時代を生き残る 下請け製造業のための劇的価格交渉術

インフレ時代を生き残る 下請け製造業のための劇的価格交渉術

大場 正樹

幻冬舎メディアコンサルティング

バブル崩壊から30年、デフレが続いた日本を未曾有のインフレが襲う。 「値上げできない」という思い込みからの脱却が 原材料価格の高騰に苦しむ下請け製造業の活路を拓く。 これまで700社を超える中小製造業の経営改善…

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