子どもができるとどうしても気になってくるのが教育費の問題。今は「大学全入」とも言われ、教育に多額の費用が必要とされる時代でもあります。実際のところ、教育費はどのくらい必要で、どう貯めていくのが良いのか。多くの親御さんが気になるテーマについて、独立系ファイナンシャルプランナーであるのぞみさんにお伺いしました。
小学校から大学まですべて公立でも850万円だが…「教育費用」FPが推す「賢い準備の仕方」 ※画像はイメージです/PIXTA

3つの貯め方別メリット&デメリット

教育資金は主に「預金」「保険」「投資」の3つの方法で準備することができます。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

 

■預金

預金のメリットは、毎月貯める額によって何年後にいくらになるという見通しが立てやすいこと。さらにいつでも引き出せて、教育費以外の用途にも使用できることです。デメリットは利率の低さとインフレリスク。ここ最近は物価上昇が進んでいます。これらの上昇分を現在の銀行利率ではカバーすることができません。これが預金の最大のデメリットです。

 

■保険

教育資金を目的とした保険商品の代表的なものが学資保険です。メリットは満期時の返戻金がある程度決まっているので、見通しが立てやすいこと。デメリットはやはり利率の低さと、途中で解約をすると元本割れをすること。つまり突然お金が必要になった時でも引き出しにくいので注意が必要です。学資保険の代わりになる保険商品として、日本円よりも高金利な米ドルで運用する「ドル建て終身保険」や、保険会社が保険料を運用する「変額保険」があります。いずれも学資保険よりは高い返戻金を期待できますが、払い戻し時の相場によっては損失が出る場合もあります。

 

■投資

投資のメリットとしてはインフレ率を上回る利率が期待できる点になります。中でもここ最近の注目は「つみたてNISA」。口座開設や銘柄選びでつまづく方もいらっしゃいますが、金融庁のホームページに分かりやすくまとめられているので、ぜひ参考にしてみてください。投資のデメリットは、資金が必要な時点で相場が下落していた場合、元本割れするリスクがあることです。

 

おすすめは「預金」+「つみたてNISA」

お金を貯めていく方法はさまざまありますが、どんな金融商品にも必ずデメリットがあります。大切なのはデメリットを打ち消しあえる複数の柱を立てることです。教育資金の準備に筆者がおすすめするのは、銀行預金とつみたてNISAの組み合わせ。インフレに対する預金の弱点をつみたてNISAでカバーし、つみたてNISAの元本割れリスクを現金で補うことが狙いです。

 

保険にしてもつみたてNISAなどの投資信託にしても、一般の方が安心して購入できるものにそれほど高金利の商品はありません。ですから購入に関する手数料やコストをどれだけ減らしていけるかが一つのポイント。その点で預金とつみたてNISAは、手数料も安く手軽に始められる組み合わせになります。

 

そうは言っても投資商品に抵抗がある方は、少しでも利率の高い保険商品を選ぶことをおすすめします。保険会社から提示される利率は手数料が含まれているため、必ず手数料を抜いた実際の利率で比較を。保険会社の方に算出をお願いするか、またはどの保険会社にも属さない独立系のファイナンシャルプランナーに頼むことも、ひとつの方法です。