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「運動神経がよい」とはどんな状態?
よくいわれる「運動神経がよい」というのは、たとえば「走って」「切り返して」「戻ってくる」といったような基本的な動作が素早くできる状態のことです。
そして、このような動作が素早くできるかどうかは、「シナプス」と呼ばれる脳内の神経細胞と深く関係しています。脳内には、身体を動かすための神経回路があります。その神経回路は、たくさんの動作を経験することで学習し、円滑に動作ができるようになり、いわゆる運動神経がよいということになります。
運動神経のよさは遺伝する?
結論からいうと、運動神経の良し悪しは遺伝しません。運動神経がよいといわれるようなシナプスの状態は、基本的に子どもの成長過程で形成されるものだからです。ピアノの上手さや字のきれいさが遺伝しないのと同じですね。
しかし実際、運動の得意な親御さんはお子さんも運動神経がよい、ということはよくあります。身近にそのような例を見て、やはり遺伝するのではと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
運動が得意でスポーツが好きなお父さんお母さんは、子どもと遊ぶときにも公園などへ行って運動遊びをするのが多い傾向にあります。そのため、自然と子どもの運動経験も多くなり、シナプスの形成が進むのです。反対に、運動が苦手だと感じている親御さんは、おうち遊びなどインドアでの遊びが多い傾向にあると思われます。
さらに、スポーツの経験がある親御さんは、運動の正しいフォームのお手本になることができます。幼児期はスポーツの動作を身につけるために大切なのは模倣することなので、正しい動きを直接見ることができるのはとても効果的です。
運動する機会の多さと、見て模倣できるような運動の質の高さ、この2つが運動能力を開発するための重要なポイントです。運動が得意な親御さんのご家庭では、この2つが満たされている傾向が強いため、遺伝とは関係なく子どもの運動能力が発達しやすいのです。
運動神経をよくするための運動体験とは?
運動神経が一番発達するのは、幼児期である2、3歳くらいから小学校5年生くらいのあいだです。この時期に、特定の競技にしぼらず複合的にいろいろな動作をすると運動能力をつかさどるシナプスが多くでき、運動能力が向上します。
親御さんとしては早く専門競技をやらせたいという気持ちもあるかもしれませんが、未発達な幼児期にできる専門競技の動きは限られています。それよりも、基礎的な動きが幅広くできるよう、幼児期に脳のシナプスをしっかり形成しておくことが大切です。
そうして運動の土台ができていれば、中高生になって専門競技に取り組んだときに、大きく伸びることができると考えられています。実際に、たとえばスペインのレアル・マドリードやドイツのバイエルン・ミュンヘンなどのヨーロッパの強豪サッカークラブでも、チームに所属する子どもたちが小さいあいだは、サッカー以外のメニューがたくさん取り入れられています。