(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

大幅利上げで長期金利上昇

■2022年の米欧の長期金利(10年国債利回り)は、予想外のインフレ高止まりや主要中銀による積極的な金融引き締めから大きく上昇しました。とはいえ、年末にかけては、利上げ効果の浸透による景況感の悪化や、利上げペースの鈍化を材料に市場では次第に買いが優勢となり、米長期金利は低下に転じました。

 

■日本の10年国債利回りは長らく0.1~0.2%台のレンジで推移してきましたが、日銀が大規模緩和を修正し、長期金利の変動許容幅を拡大した12月20日を機に急騰しました。

 

(注)データは2021年12月31日~2022年12月22日。 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
主要国の10年国債利回り (注)データは2021年12月31日~2022年12月22日。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

金利上昇や景況感悪化からハイイールド中心にスプレッドが拡大

■米国の社債利回りと米国債利回りの金利差(スプレッド)は米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げに伴う金利の先高観や、景気の先行き不透明感から総じて拡大傾向で推移しました。

 

■中でも、信用力に劣るハイイールド債のスプレッドは、業績悪化による元利金支払いへの懸念が高まったこともあり大きく上昇しました。

 

(注)データは2021年12月31日~2022年12月22日。社債スプレッドはいずれもBloombergのスプレッド指数。 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
米国の社債スプレッド (注)データは2021年12月31日~2022年12月22日。社債スプレッドはいずれもBloombergのスプレッド指数。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

今後の展開:米長期金利は徐々に低下する一方、日本では上昇圧力も

■米国の政策金利は2023年の前半には利上げの最終到達点であるターミナルレートまで引き上げられる可能性が高いため、市場では利下げに転じる政策転換の時期を巡り思惑が交錯することとなりそうです。加えて、これまでの積極的な利上げの効果が顕在化することで景況感の悪化やインフレの減速が鮮明になってくることで、米国の長期金利には徐々に低下圧力がかかってくるものと想定されます。

 

■一方、日本では、大規模緩和の更なる見直しへの思惑がくすぶる中、投機筋を中心に再び長期金利の変動許容幅の上限を試す動きが強まる可能性があり、長期金利の上昇圧力となりそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【債券市場の振り返り】欧米の長期金利は利上げで上昇、日本も年末に急騰。今後の展開は?』を参照)。

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

 

【ご注意】
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友DSアセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友DSアセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録