(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年は急激なドル高円安に見舞われ、さらに年末には金融引き締めへの動きも見られました。2023年の予測が一層、難しくなるなか、ストラテジスト・浅井聡氏は為替も不動産市況も「米国>日本」の構図は変わらないといいます。それはなぜなのでしょうか。その真意と、2023年に取るべく投資戦略についてみていきます。

世界的な金融引き締めがはじまった2022年

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まもなく2022年が終わろうとしています。今年は世界の金融政策が大きく動いた転機となる年でした。

 

新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年、2021年は、世界中の国々が経済救済策として金融緩和を行いました。市中に流通したお金は、ギリギリの生活を送る人にとっては命綱でしたが、生活に余裕のある人々にとっては投資マネーになり、株式市場を中心に金融資産市場を大きく盛り上げました。

 

しかし2022年に入り、そのトレンドが反転します。いち早く経済活動を再開したアメリカでは、半導体や木材をはじめとした製品の流通が間に合わずに、いくら高い価格で買い付けしようにも品物が届かないという、いわゆる供給制約の問題が浮上。

 

併せてレイオフした労働者の雇い直しが必要になり、人件費が高騰したことで、FRBがインフレ退治のための利上げに踏み切ります。他の国も時をおいてこれに追従。現在、世界的な金融引き締めの真っ只中です。

 

日本はというと、世界のトレンドに抗うように金融緩和を維持して来ましたが、年の瀬の迫る12月19日、20日行われた金融政策決定会合の結果、10年債利回りの許容変動幅がこれまでの「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に緩和されることが日銀から発表されました。これは黒田総裁も記者会見で述べていた通り、各国の利上げに追随する性格のものではありませんが、それでも市場では、日本もいよいよ金融引き締めに向かうかと騒がれはじめています。

 

現在、アメリカはドル高トレンドの一服からくる金融引き締め効果もあって、年明け以降は利上げペースを若干緩めると目されており、日本が利上げに向かうか否かに関わらず、金利差はこれ以上、劇的に広がりにくいと見ていいでしょう。以前、金利差を理由にした為替予想はまもなく賞味期限が切れるといった通り、まさに金利差拡大という材料は賞味期限が切れた状況になっています。

 

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