米国では利上げがハイペースで進み、固定金利はサブプライム問題が表面化する直前の水準を超えました。不動産不況のニュースがささやかれるなか、賃貸オーナーにとってはむしろプラスとストラテジスト・浅井聡氏はいいます。それはなぜなのでしょうか。その真意と、不動産不況がいわれる米国不動産市場で、いま狙うべき物件についてみていきます。

「住宅価格指数が減速!」は事実だけれど……

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コロナ禍以降、空前の住宅ローン低金利を背景に絶好調だったアメリカの住宅価格上昇のスピードが、このところやや落ち着きはじめています(あくまで伸び率が鈍り始めただけで、まだ前年同月比年率10%以上の上昇率ですが)。日本の経済メディアの多くもこの状況を分析した記事を書いており、その多くはいわゆる「住宅価格指数」のデータを根拠にしています。知らずに読むとしっかりしたエビデンスがある記事だと思ってしまいそうですが、不動産の専門家としてはちょっと待ったと言いたくなります。

 

というのも、日本で「アメリカの住宅価格指数」として紹介されている指数は、それぞれ算出方法の違う2種の指数が混ざっているからです。1つは、コアロジックHPI(CoreLogic House Price Index)で、もう1つはケースシラー指数(Case-Shiller Housing Index)。

 

この2つの指数は、データ提供元も算出方法も異なります。どちらも住宅価格のトレンドを表す指標ですから似た動きをすることが多く、米国経済や金利動向が安定している時期においては、両者を区別せずに分析しても特に支障がないことも多いのですが、稀に違った動きを見せるシチュエーションもあります。そして実は今が、その稀なタイミング。まさに今、一方だけしか考慮していない分析を鵜呑みにし、米国住宅市場を分かった気になるのは危険な時期と言えるのです。

コアロジックHPIは、住宅ローンのデータから算出

コアロジックHPIは、日本で言う住宅公庫のような役割を持つファニーメイやフレディマックなどから提供される住宅ローンを利用した住宅購入者の情報をもとに、コアロジック社が算出しています。つまり、ローンなしの取引やファニーメイとフレディマックが関与していない住宅ローンを含む取引のデータは反映されません。

ケースシラー指数は、同じ物件の売買価格を定点観測

一方、ケースシラー指数は1つ1つの戸建て住宅が過去どんな価格で取引されてきたのかを追いかけ、売買ごとの価格差を集めて全米平均あるいは地域ごとに指数化したものです。ある物件において2015年の売買価格より2020年の売買価格が高くなっていれば、2015〜2020年間のケースシラー指数は押し上げられ、反対に安くなっていればケースシラー指数も引き下げられます。こうした上げ下げの判断を、調査対象地域内の物件すべてについて行うことで、指数が算出されます。

 

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