南アフリカへ輸出も。見込み収益は約10億米ドル
HVDC交直変換所のプロジェクトマネージャーであるテュオドローズ・アヤレウ氏は、Capitalの取材に対し、「このプロジェクトに適用された技術は、ケニアのクライアントにとって電力供給の変動を抑える上で非常に重要である」と述べた。
EEPの送電・変電所建設プロジェクト担当役員であるキブロム・カッソーイ氏によると、「このプロジェクトは、エチオピアだけでなくアフリカ全土においても最新の技術を適用しており、電力部門へ非常に大きな影響を与えている」という。「今回のプロジェクトで採用された技術は、電力の無駄を最小限に抑え、持続可能な電力供給を保証するもので、財政的にも実現可能だ」(キブロム氏)。
専門家によると、「この施設は途切れることなく信頼性の高い送電を確保する能力がある」とのこと。
今後3年間で解消されるドイツとの2国間協定の初期段階として、200MWの電力をエチオピア隣国に輸出し、年間1億米ドル以上の利益を上げる予定だという。3年間における第2段階では、輸出量を400MWとし、収益を倍増させるとともに、将来的には2,000MWの輸送能力を持つ施設とする予定だ。現段階では、南アフリカへのエネルギー輸出により、10億米ドルの収益が見込まれている。
「財政的な利益だけでなく、このプロジェクトは地域統合に良い影響を与え、地域に社会経済的な利益をもたらすものだ。現状、輸出は試験的に行われているが順調である」(キブロム氏)
エチオピア国境から延びる送電線、保護線、データ通信線(光地上線)は全長440kmで、994もの鉄塔が設置されている。また、中国電力技術装備有限公司(CET)が管理する送電線プロジェクトもあり、こちらは約1億2,000万米ドルを消費し、500KVを調整する能力を持つ。
エチオピアは今後5年の間、1kWあたり6.5米セントで電力を販売する予定だ。