実際に成果をだしたDX推進事例
では、我々がDXを推進してきた事例についてご紹介させていただきます。まず、我々はなにを成し遂げたいのか? ――我々は社会に印刷機を提供することで社会のコミュニケーションを支えてきました。コミュニケーションを変革することが我々のミッションであると定義づけをしました。
次に、事業者のマーケターに会いに行きました。彼らは企業とユーザーのコミュニケーションをよりよくしていくことをミッションとしているからです。事業者のマーケターは、DXによって顧客のことは把握できるようになってきていたため、これをコミュニケーションに活用したいと考えていましたが、以下のような手間が増加することで前に進めることができていない状態であることがわかりました。
・1人ひとりに合わせたおすすめを載せた印刷データの作成工数
・1人ひとり違う印刷物になるため、同梱作業の工数
これらをデジタル化により自動化しようとすると数ヵ月かかってしまいます。そこで、我々は自らの手を動かすことでこの手間を取り除くことを行いました。DXにより、まずは事業者のコミュニケーションに変革を起こしました。また、自らの手を動かしたことで、どこをデジタル化すべきかが明確に理解できたのです。さらに、同梱現場で印刷を武器にした新たなサービスを開始できる可能性がみえてきました。
ここまで、2ヵ月程度の出来事です。加えて、数々の壁を乗り越えることで現場担当者の人間力も養われ、自社の製品開発においても現場第一の考え方が広がり、浸透しつつあります。これこそがまさにDXだと感じませんか?
これらのことから、DXで成果を出すには、IT人財や予算の確保ではなく、自らの手を動かすことを厭わず、変革にコミットすることこそが重要であると確信しています。ただし、日々膨大な業務に追われているなか、新たな挑戦をする際に、リソースがない、お金がない、ソリューションがない等の壁があることがほとんどです。そこで重要になってくるのが、外部パートナーとの価値共創であり、小さくスタートし、スピード感をもってPDCAを回すことです。
すべてのことを一社で賄う時代はすでに終わっています。そのためにも、パートナー関係構築を構築し、共に力を合わせ共創するべきです。皆さんで支え合い変革を実現して参りましょう!
楠 貴大
コニカミノルタ株式会社
AccurioDX CXデザイナー