(※画像はイメージです/PIXTA)

昨今、企業経営においてキーワードになるものはいくつかありますが、よく耳にするのが「脱炭素経営」。中小企業でも二酸化炭素排出量削減を意識しないといけない時代。まずは世界において日本がどれほどの位置にいるのか確認しておきましょう。

世界「二酸化炭素(CO2)排出量…日本は5位

2016年、パリ協定の発効を契機に、主要排出国を中心に温室効果ガスの具体的な削減目標を掲げました。日本では2020年の菅政権下に、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする「カーボンニュートラルの達成」を宣言しています。

 

日本の温室効果ガス排出量の78%は企業や公共事業が発生源であることから、一般企業に対しても脱炭素を求めています。企業としても「脱炭素経営」によって、「企業評価の向上」「補助金・支援金」「エネルギーコストの削減」といったメリットが得られます。

 

先日、経済産業省はエネルギー需給実績(速報)を公表しましたが、それによると二酸化炭素(CO2)排出量は約9億9,000万トンで、前年度比1.2%増と、8年ぶりの増加となりました。これはコロナ禍からの経済回復に伴うもの。また2022年度は混迷極めるエネルギー情勢もあり、化石燃料への依存度が高まり、再び増加するのではといわれています。

 

ただ長期的に見れば二酸化炭素排出量削減は絶対的にクリアすべき課題であり、国も企業も脱炭素の歩みを緩めるわけにはいかないでしょう。その取り組みは、良くも悪くも、世界からも注目されています。

 

先月もエジプトで開催された第27回国連気候変動枠組条約締約国会議中に日本は「本日の化石賞」を受賞しました。国際的な環境NGOネットワーク「気候行動ネットワーク(CAN)」が、気候変動対策に対して最も後ろ向きな国に贈るもので、その理由は「日本は石油、ガス、石炭プロジェクトの世界最大の公的資金提供国で、2019年から2021年にかけて年間平均106億ドルを拠出した」というものでした。この賞自体、単なるパフォーマンスに過ぎませんが、世界的に脱炭素に向かうなか、日本が果たす役割が大きいことの裏返しだといえるでしょう。

 

IEA(国際エネルギー機関)によると、2020年、世界で最も二酸化炭素(CO2)排出量が多かったのは「中国」で101億9,064万トン。長らく「アメリカ」「旧ソビエト連邦」「中国」という順位でしたが、旧ソビエト崩壊と共に「中国」は2位となり、2006年以降は世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国となっています。そのようななか、日本は世界で5番目の二酸化炭素(CO2)排出量国。量でみれば、やはり日本の影響力は大きいといえます。

 

【世界「二酸化炭素(CO2)排出量」トップ10】

1位「中国」1,019,064万トン

2位「アメリカ」432,470万トン

3位「インド」213,519万トン

4位「ロシア」156,293万トン

5位「日本」99,866万トン

6位「ドイツ」59,929万トン

7位「イラン」57,291万トン

8位「韓国」55,143万トン

9位「インドネシア」54,448万トン

10位「カナダ」51,552万トン

 

出所:IEA(国際エネルギー機関)2020年

*IEAによる推計値。各国が気候変動枠組条約(UNFCCC)に提出している数値とは異なる

 

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