オーナーが物件に「直接」関わらないことが一因か?
現地を見る必要がなく、管理もお任せで大丈夫!――。任意売却物件は、オーナーが直接関わらなくても純粋な投資として運用できる、優れた不動産投資物件です。
ただ、オーナーが任意売却物件に直接関わらないだけに、投資家の皆さんはどう扱えばよいか戸惑う面はあると思います。任意売却物件が競売物件ほど一般に浸透していないのもそうした理由があるからかもしれません。
筆者自身、お客さんに紹介するときに説明しているつもりでも、本当に理解していただけたのかと疑問に思うことはあります。
このため私は、これは任意売却物件であり、現在の所有者が銀行にローン返済ができなくなり、管理費や税金も滞納しているので、それらのすべての債務を処理してお客さんに紹介していることを、できるだけ丁寧に説明するよう心がけています。
知名度が低いからこそ「プラチナ物件」とされる
それでも任意売却物件が一般に浸透しにくいのは、一般の人が直接入手することがなく、私たち任意売却物件の専門業者以外はほとんど取り扱うことがない、いわば〝独特の世界〟をつくりあげているからだと思います。
裁判所に行っても公示されていないし、ネットで紹介されることもない。それだけに任意売却物件は、希少な〝プラチナ物件〟なのだと思います。
新たな任意売却物件の情報が私たちのところにやって来るのは、そうした独特の世界の人間関係があるからです。そしてどの物件が来るかは、まったくの〝縁〟ではないかと思っています。
任意売却物件の情報が来て、「これは良い物件」だと判断して取得できることもあるし、できないこともあります。また、他の業者がたまたま扱わなかった物件が来て、結果的に良い物件だったこともあります。
任意売却物件には不思議な〝縁〟のあることをよく感じます。
ただ、私たちにもリスクはあります。例えば、10万円の家賃と聞いていたのに直前になって9万5000円だったことが判ったり、銀行の評価が得られないので他の金融機関のローンに切り替えたり、事前に十分に調査しておいても決済直前になってトラブルになることはたまにあります。
そうしたトラブルやリスクも、任意売却物件の縁のひとつではないかと思います。